軍師と女忍、核心へ

「すみません、ローレライ。この際ですから貴方に聞きたいことがあります」
『何だ、ディストよ』
するとその後にディストが神妙な表情でローレライに話し掛けてきた為、一同の視線がディストに集中する。
「貴方が今までルークやアッシュを通して時折様子を見てきたことについては聞きましたが、それなら大爆発のことについても聞いているはず・・・そこでなのですが、アッシュに大爆発が起こるような兆候はありますか?」
『大爆発、か・・・我はフォミクリー技術に関しては門外漢だが、アッシュの体に何か異変が起きてないかどうかに関しては分かるが当面は何か問題が起こるような気配は感じられぬ。ただ一つ聞きたいのだが、どのような条件を達成すれば大爆発が起きる可能性が高まる?例え近くにルークがいなくてアッシュ一人が死ぬ未来しか無かろうとだ』
「そうですね・・・根本的な事として言うなら、被験者が死ぬかそれに近い状態に体が陥る状況になります。そしてそんな状態になった時に近くに完全同位体がいれば自身の体から抜かれた身体情報に引かれる形でその同位体を被験者がレプリカの体を乗っ取る形になり、そうなった現象が大爆発と言いますがそれがどうかしたのですか?」
『いや、我ならアッシュの体についてどうにか出来るのではないかと思ったのだ。将来的にもしアッシュが死ぬ危険性に陥ったなら、大爆発で死ぬと言う可能性を減らす形でな』
「えっ、そんなことが出来るんですか?」
『あくまでも我とアッシュが同位体だからこそ出来ると見てだがな』
ディストがそこで聞いてきたのは大爆発のことでローレライはそこから会話をしていくのだが、アッシュをどうにか出来るといった返しに周りの面々も興味深そうな表情を浮かべる。
『ただ一応の確認としてやらない方が都合がいいと言うならやらずに済ませるが・・・』
「いえ、丞相の考えを抜きに言うなら出来るならしていただいた方がいいと私は思います。大爆発がルークとの間で起きることはないとは言え唐突な死がいきなりアッシュを襲ったとなればキムラスカが混乱するのは目に見えていますし、その煽りを受けるのは間違いなくルークを内密とは言え抱えるダアトになります」
「だろうな。まず間違いなく世継ぎが一人もいない状況だったならアッシュが死んだからルークは返せと切り出すだろう。ナタリア殿下は説得するし丁重に扱うといった文言の密書が送られてくる形でな。世継ぎがいるならいるでも時期が若いと言える時期ならその確率は一層に高くなるだろう・・・そうなればその時、ダアトがキムラスカの要望を拒否出来るとはあまり思えんな。最終的にはルークもそうだがダアトを接収して領土にすればいいといった考えになるかもしれん」
「ピオニー陛下の言われたような展開は大いに有り得るでしょう。そしてそうなれば負けて属国になるつもりはありませんが、だからこそ被害はダアトにキムラスカと問わずに広まるでしょうしマルクトも場合によっては巻き込まれることは避けられなくなるでしょう。キムラスカかダアトのどちらかかの援護をしてほしいと乞われることもそうですが、仲介をしてほしいと言われる形でです」
「そうなったなら正直気乗りはせんな・・・仲介はまだしも、どちらかの増援など理由を知っているだけにこちらとしては兵を送りたくはない。正直こちらからすれば馬鹿馬鹿しい理由で兵の命を損ないたくない」
「忌憚のない意見をありがとうございます・・・と言うわけですので、後に機会を設けますのでアッシュの体に関してはお願いします。こちらとしてもキムラスカ国内での面倒事からはともかくとしても、そんか事情から面倒事に発展はしてほしくはありませんからね」
『うむ、分かった』
そうしてローレライはどうするかと確認をするとディストだけでなくピオニーと孔明もそれぞれの立場から口を出し、アッシュにそうしてほしいとなったことで話は収まった。余計な面倒事は起きてほしくはないといったことで。









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