軍師と女忍、核心へ

「それで話を変えるが段取りとしてプラネットストームの停止とローレライの見送りに関して、どうする予定だ?」
『それは我から言わせてもらうが、プラネットストームの停止を先にするようにした方がいいと言った。理由としては地核に我がいて解放といった流れを口にするより、プラネットストームを停止させたことによりそこに封じられていた我が出てくることが出来たといった方が流れが自然であろうし、下手にプラネットストームの影響で譜術を使えるような環境にあっては丞相の言ったような混乱が起きた場合に面倒になりかねないと言われたのでな』
「ふむ・・・そういう流れならそれで構わんが、プラネットストームの停止した状況で音譜帯に行けるのか?」
『問題ない』
「そうか。まぁそれならそれで構わんが、取り敢えずその場合は形式上はこちらに報告に来るのか?」
「一応は来訪したという体裁を見せた方がよろしいでしょうし、その後に国内にローレライのダアトでの見送りについてを知らせていただけたらこちらとしてはありがたいのですが」
「構わん、それくらいは行わせてもらおう」
次にピオニーは今後の予定について聞いていき、ローレライと孔明の答えに快く答える。
「・・・まぁ話は取り敢えずこれくらいでいいだろう。今日もまたここに泊まっていけ。話に聞く限りでは特に問題はなかったようだが、一応ローレライ解放を行ってきた労を労わせてくれ」
「分かりました、今日もお世話になります」
それらの話からまた今日は休んでいけばいいとピオニーが言うと、孔明はすぐに頷く。特に反対する理由もないために。









「・・・ローレライ、少し聞きたいことがある」
『なんだ?』
・・・それで恒例のようにアッシュが一人離れた部屋に案内された上でピオニーは孔明達の部屋を訪れるのだが、そこでアッシュよりくのいちが譲り受けた鍵に話しかける。
「先程の話の中でアッシュではない方のルークについては一切触れていなかったが、話に聞く限りに想像からするとルークが生きていることは知っているのか?」
『無論だ。そしてそなたはこう問いたいのだろう、ルークのことをアッシュに言うつもりはないのかと』
「あぁ、そうだがその様子だと言うつもりはないようだな」
『当然だ』
ピオニーがそこで向けた問いはルークのことを知っているかを確認した上でアッシュに言うか・・・だったが途中でそのつもりがないことに気付き、ローレライもその言葉を肯定する。
『我からすればルークを是が非でも殺したいと思うような理由もないし、何なら地核に来た時にルークがいなければ我はまだ地核にいたままだったかもしれぬ状態だったのだ。それなのに恩を仇で返すようなつもりはない』
「だから敢えてアッシュにはルークが生きていることは伝えなかったとのことだが、度々様子を見てきたんならお前はアッシュの執念というかルークへの敵対心に関してどう思っているんだ?」
『・・・正直な所、哀れに思っている。その辺りはリグレット達の方がよく知っているだろうが、ヴァンにより植え付けられたルークが全て悪いといった考えによりあのようになってしまっていった・・・丞相はこれからのアッシュは少しは考えは変わると見てはいるが、そうそう大きくは考え方は変わらないであろうというようにな』
「・・・そう聞けば少し哀れに思うな・・・と言っても少しだがな」
そうしてローレライからルークとアッシュに関する事を聞き、アッシュに関する事を聞いてピオニーは少しだけ眉間にシワを寄せる。本当に言葉通り少しだけ同情するよう。









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