軍師と女忍、核心へ

「それに二人を始めとした者達を裁くにはそろそろ時期としてもちょうどよいというより、潮時が近いこともあります。特に大詠師に関しましてはこれまでの活動の例からダアトにいない時間が多いのは当たり前なのですが、流石にあまりにもダアトの表舞台に立ってない時間が長くなっています。その上で以降に導師の姿はあって何らかの発表はあるのに、大詠師がその発表に何らかの形ででも関わっていないことは今までのダアトのことを考えれば人々におかしいと見られることは避けられません。ですのでそろそろ大詠師達のしてきたことを流石に容易に言ってはならないことを除いて公の物として発表し、公開裁判にかけたいと思っています」
「ちなみに確認するが、その裁判はあくまでも人々に向けたパフォーマンスであって結果は確定しているのだろう?」
「はい、それは。ついでに言わせていただくなら、下手な事態が起きないよう猿ぐつわなどを噛ませた状態にした上でローレライの見送りが済んだ後、即刻処断させていただきます。それこそ下手に長く二人を生かしておいても預言保守派からの抗議であったりなどを始めとして良いことなど無いでしょうから」
「まぁそりゃな・・・長引けば長引くほどに色々と出てくるだろうからな。ただそれでもそちらのやり方に不平不満を言う輩はまず出てくるのは避けられないだろうが・・・」
その上で二人以下の面々についてを片付ける心積もりと目算についてを話していく孔明に、ピオニーは納得しつつも反感を持つ者をどうするのかというように口にする。
「そこに関してはむしろ出てきて当然の物と覚悟の上ですから問題はありません。と言うよりはそういった方々が出てくることを考慮した上でこのように申し上げています」
「何?敢えてそんな人物達を出すと言うのか?」
「はい。とは言えダアトにいるローレライ教団の信者で声を大きくして不平不満を申し上げてくるような人物は大体限られていて、大方のめぼしい者達については調べがついています。そしてそういった人物はほとんどがモースに思想が程近かったり立場の近い預言保守派ばかりで、残りはそんな預言保守派と争っていた改革派の者達くらいです」
「つまり丞相からすればその調べがついている預言保守派の者達のことをどうにかすれば後はどうにでもなると見ているのか」
「はい、そうなります・・・声が大きいだけで済ませてくれるならこちらとしては穏便に済ませる予定ですが、十中八九その者達は行動を起こすでしょう。いかな手段を持ってしてでも預言が詠める環境を取り戻そう、預言が詠めればより良い未来が詠まれる筈だといった盲目な考えにより後にどうなるかといったことなど、それこそ預言を再び詠めるようにさえすればどうにでもなると・・・ですがそこで行動に出てくるようであれば容赦はしませんし、その行動を利用させていただくつもりです。預言保守派の中での穏健派が過激派に引っ張られてしまわぬような形に収めるようにして」
「・・・そちらがそう言うならまぁ俺は構わん。丞相がそう言うならうまくやるだろうし、こちらからこうこうと口出しする必要もないだろうからな」
だが当然考えていると問題を起こすだろう者達やその対応はすると返していく孔明に、なら大丈夫だろうというようにピオニーは笑みを浮かべる。その言葉通り孔明ならやってくれるだろうと。









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