軍師、暗躍と飛躍
「さて・・・これで一先ずは大丈夫でしょう。後はバチカルに着くのを待つだけですね・・・」
それで一人残った孔明は窓を閉めながらそっと呟く。後は待つだけと。
・・・それから船は穏やかに何事もないまま進み、バチカルの港へと到着した。
「おぉ、ルーク様お帰りなさいませ!ご無事で何よりでございます!」
それで一行が港に降り立つと赤を基調とした軍服を着るキムラスカ兵士達と、その先頭に立つ屈強そうな将官らしき人物からの出迎えの挨拶を向けられる。
(確かあの方は、特徴を聞く限りではゴールドバーグ将軍でしたか)
そんな人物が話を進めていく中で孔明は一人、誰なのかと頭から情報を引き出し考えを深める。
「・・・それで、今回こちらにダアトの丞相が来られているとの事ですが・・・」
「はい、私です。初めましてゴールドバーグ将軍、ダアトの丞相を務めている孔明と申します。以後お見知り置きを」
「っ・・・」
すると少しして話の中からゴールドバーグが孔明の方に話題を向けてきた為何事もないとばかりに挨拶として頭を下げるが、その姿にティアが息を呑む。
「此度は神託の盾の一員であるティア=グランツが起こした行為を謝罪させていただくと共に、そちらに引き渡しをさせていただく為に参上しました」
「うむ・・・話は聞いております。後はこちらでティア=グランツの身柄は引き受けますので、丞相も導師達と共に城まで向かわれてください。後、謡将もその件で我々に付いてきていただきたいのですが」
「えぇ、分かりました・・・ではティア=グランツ、ゴールドバーグ将軍の指示に従うように。それと謡将もお願いします」
「えぇ、承知してます」
「・・・分かりました、丞相・・・」
すぐに会話の流れがヴァンも含めての引き渡しになり孔明の言葉にヴァンはすぐに頷くが、やはりティアはショックを隠しきれないながら頷く。
・・・それで二人と別れたルーク達は上の階層に向かう天空客車へと乗った。
「・・・では手筈通りに頼むぞ」
「・・・神託の盾?」
「ど、導師・・・ではな・・・」
その中で港から一つ上の階層に降り立った一同だが、漆黒の翼の面々と神託の盾が何やら話していた光景に出会し、神託の盾の兵士が明らかにそそくさと立ち去っていく姿を見送る。
「・・・何なんだ、お前ら?神託の盾に何か頼まれてたようだけどよ」
「あら、私達は暗闇の夢という単なるサーカス団ですわ。サーカス団に何かお願いするのなら、サーカスを行う以外に何かあるかしら?」
「サーカスぅ?」
「暗闇の夢、ですか・・・話にしか聞いたことはありませんが、まさかこんな形で所属メンバーをお目にかかれるとは思っていませんでしたよ」
「知ってんのかよ、ジェイド?」
「えぇまぁ、名前くらいですがね」
場に残った漆黒の翼の面々に怪しいとばかりに声をかけるルークにノワールは答えを返し、ジェイドが反応したことに眉を寄せる。
「う~ん・・・つーか神託の盾が何でそのサーカス団、ってのに話し掛けてんだよ・・・そもそもそれがどんな仕事なのかよくわかんねぇけどよ・・・」
「それは勿論、仕事のお話♪・・・では私達は仕事の準備がありますので、失礼いたしますわ~♪」
一応身元が不確かではないことに若干警戒が薄れる代わりに疑問が増えるルークに、あえておどけるように楽しそうに場を離れていくノワール達漆黒の翼。
「・・・結局なんだったんだ、あいつら?」
「それは分かりませんが、今は城に向かいましょう。彼女達の事は確かに気にはなるでしょうが、ルーク殿には関係無い事だと思われますので」
「・・・そうすっか。別にそこまで興味あるわけでもねぇしな」
ルークはその光景に首を傾げるが、孔明の言葉にすぐに頷く。そこまでのことではないと。
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それで一人残った孔明は窓を閉めながらそっと呟く。後は待つだけと。
・・・それから船は穏やかに何事もないまま進み、バチカルの港へと到着した。
「おぉ、ルーク様お帰りなさいませ!ご無事で何よりでございます!」
それで一行が港に降り立つと赤を基調とした軍服を着るキムラスカ兵士達と、その先頭に立つ屈強そうな将官らしき人物からの出迎えの挨拶を向けられる。
(確かあの方は、特徴を聞く限りではゴールドバーグ将軍でしたか)
そんな人物が話を進めていく中で孔明は一人、誰なのかと頭から情報を引き出し考えを深める。
「・・・それで、今回こちらにダアトの丞相が来られているとの事ですが・・・」
「はい、私です。初めましてゴールドバーグ将軍、ダアトの丞相を務めている孔明と申します。以後お見知り置きを」
「っ・・・」
すると少しして話の中からゴールドバーグが孔明の方に話題を向けてきた為何事もないとばかりに挨拶として頭を下げるが、その姿にティアが息を呑む。
「此度は神託の盾の一員であるティア=グランツが起こした行為を謝罪させていただくと共に、そちらに引き渡しをさせていただく為に参上しました」
「うむ・・・話は聞いております。後はこちらでティア=グランツの身柄は引き受けますので、丞相も導師達と共に城まで向かわれてください。後、謡将もその件で我々に付いてきていただきたいのですが」
「えぇ、分かりました・・・ではティア=グランツ、ゴールドバーグ将軍の指示に従うように。それと謡将もお願いします」
「えぇ、承知してます」
「・・・分かりました、丞相・・・」
すぐに会話の流れがヴァンも含めての引き渡しになり孔明の言葉にヴァンはすぐに頷くが、やはりティアはショックを隠しきれないながら頷く。
・・・それで二人と別れたルーク達は上の階層に向かう天空客車へと乗った。
「・・・では手筈通りに頼むぞ」
「・・・神託の盾?」
「ど、導師・・・ではな・・・」
その中で港から一つ上の階層に降り立った一同だが、漆黒の翼の面々と神託の盾が何やら話していた光景に出会し、神託の盾の兵士が明らかにそそくさと立ち去っていく姿を見送る。
「・・・何なんだ、お前ら?神託の盾に何か頼まれてたようだけどよ」
「あら、私達は暗闇の夢という単なるサーカス団ですわ。サーカス団に何かお願いするのなら、サーカスを行う以外に何かあるかしら?」
「サーカスぅ?」
「暗闇の夢、ですか・・・話にしか聞いたことはありませんが、まさかこんな形で所属メンバーをお目にかかれるとは思っていませんでしたよ」
「知ってんのかよ、ジェイド?」
「えぇまぁ、名前くらいですがね」
場に残った漆黒の翼の面々に怪しいとばかりに声をかけるルークにノワールは答えを返し、ジェイドが反応したことに眉を寄せる。
「う~ん・・・つーか神託の盾が何でそのサーカス団、ってのに話し掛けてんだよ・・・そもそもそれがどんな仕事なのかよくわかんねぇけどよ・・・」
「それは勿論、仕事のお話♪・・・では私達は仕事の準備がありますので、失礼いたしますわ~♪」
一応身元が不確かではないことに若干警戒が薄れる代わりに疑問が増えるルークに、あえておどけるように楽しそうに場を離れていくノワール達漆黒の翼。
「・・・結局なんだったんだ、あいつら?」
「それは分かりませんが、今は城に向かいましょう。彼女達の事は確かに気にはなるでしょうが、ルーク殿には関係無い事だと思われますので」
「・・・そうすっか。別にそこまで興味あるわけでもねぇしな」
ルークはその光景に首を傾げるが、孔明の言葉にすぐに頷く。そこまでのことではないと。
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