軍師と女忍、核心へ

『・・・話を戻すが、そうしてダアトから出た我々ではあるがユリアという名と存在を求めて人々は動いていた。思い通りの中身が書かれた預言を求めようとする者であったり、その身柄を利用する者達であったり様々な動機で追われる形でだ・・・そしてその逃亡の果てにユリアはホドに辿り着き、子孫を密かに残す形で命を全うしたのだ。とは言えあまり大声で宣ってないことを考慮しても、ヴァンにティアの二人が普通にそうだと口にしていたことに関してはあまり良くない気分になったがな』
「貴方の立場にユリアの考えを思えば公言は避けたいと思うのは当然と言えば当然でしょうが、ならばこそ気になるのは何故貴方が地核などという場所にいたのでしょうか?貴方の話の様子では地核になどいずにユリアと行動を共にしていたのですから、何か理由があって地核にいたようですが・・・」
『・・・我の存在を人の目につかぬ上で安全に待てる場所がどこかを考えた上で、ユリアに地核に投げ入れてもらったのだ。もしもの時は地核でオールドラントの最期を迎えることも覚悟してな』
「・・・そういうことだったのですか。確かにローレライという立場に名、そしてその存在を求める者はオールドラントの歴史の中に数多いたことでしょう。下手に外殻大地上のどの場所にいても貴方が見付かる可能性は決して無くなりはしなかったでしょうし、セフィロトの中にいても何かきっかけがあれば見付かる可能性は十分に有り得たでしょうが・・・何より貴方自身が二千年近くの時間をむざむざただ預言の通りになる様子を見ていられるだけでいられたとは思えませんからね」
『・・・つくづく感心する。確かにその通りだ。地核に我が行くという話になったのは、待っているだけでは自分でどうにかならぬかという欲が湧かないかという懸念があったからだ。だが我が下手に行動してもうまく行くかどうかなど保証がないどころか、先程言ったように我を捕らえてどうにか預言と更なる自分達の思うような未来への発展をしたいと望み行動する者達ばかりだという考えになった・・・故に我々は我の同位体であるルークが存在する未来に賭けることと同時に、駄目ならもう地核でオールドラントの最期を迎える覚悟でユリアは我を地核に鍵に入れる形で投げ入れたのだ』
「・・・もしもの可能性を信じると共に、諦めも視野に入れていたのですか・・・そしてその可能性は自らの完全同位体であるルーク殿に賭けるしかなかった、と」
・・・孔明とローレライはいかな選択に考えを持って選択をしてきたのかということを互いの立場から色々と話をしていき、そのローレライが選んだ選択の対象となったアッシュへと孔明だけでなく周りの面々も視線を向ける。
「・・・俺に何かを賭けるみたいに言っていたが、何をするつもりでいやがった?」
『完全同位体として音素を干渉させ、鉱山の街で消滅するといったことになる前にここで超振動を使ってもらった時のように我の解放をしてもらう予定だったが・・・そうしようとしていた予定を変えたのがヴァンもそうだが、丞相の行動だ』
「何・・・丞相もだと・・・?」
アッシュはそんな視線に居心地の悪さを誤魔化すように質問をローレライに向けるが、そこでヴァン以上に孔明の存在が出てきたことに不思議そうな目を向ける。









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