軍師と女忍、核心へ

「・・・いかんな、話を戻そう。取りあえずこの後についてだが、ファブレ邸に向かってくれればルークはすぐに出立出来るようにとはクリムゾンが兵に言い渡すようにしているとの事だ」
「分かりました、後でファブレ邸に向かうように致します」
インゴベルトはそこから気を取り直しアッシュを連れていく段についての事を切り出し、孔明もまた素直に頷き返す。
「後は外殻大地降下に関して国内にお触れを流したが、各地の反応についてはアクゼリュスの話が流れていたのも併せて信じるか信じないかの声で二分されているとのことだ。とは言えこの事に関しては実際にその時になってみなければ信じがたいという気持ちになるだろう故、仕方無い部分はあるであろうな」
「確かにそこは体感していただかなくてはどうしようもないでしょう。眉唾物であったり嘘だと言うだけならまだしも、国の上層部は狂ったのかというような事も言われているでしょうが外殻大地の降下に際することでその声も無くなることでしょう。そしてこの後に出立してマルクトにも顔を出し、報告をしたならばその後に外殻大地の降下及びローレライの解放を行います」
「うむ・・・ローレライがどのような考えを持っておるのかの真意はハッキリとはしてはおらんが、それを確かめる事が出来るのはそなたらしかおらぬ。頼んだぞ、丞相」
「はい、陛下」
そうしてそれから後の段取りについてを話していき、インゴベルトからの王としての言葉に後ろのくのいち達共々孔明は頭を下げる。外殻大地降下もそうだがローレライ解放もうまい形でやり遂げるといった自信を滲ませる形で。









・・・そうしてインゴベルトとの会話を終えた孔明達は城を出てすぐの所にあるファブレ邸の前まで行き、アッシュの呼び出しを願い兵が動く姿を見ながら待機していた。そして少ししてアッシュが屋敷の中から出てきた・・・ブスリとした表情で不機嫌だということを取り繕うような様子もなくだ。
「お久し振りです。では早速参りましょう。募る話は道中でするという形でお願いします」
「・・・チッ・・・」
そんな姿に特に何を言うでもなく微笑を浮かべながら出立を口にする孔明に、アッシュは舌打ちをする。孔明達の姿もそうだが、兵がその場にいるにも関わらずである。









・・・そんな風にアッシュを連れてバチカルから出た孔明達はアルビオールに乗る。



「さて、グランコクマに向かった後にラジエイトゲートに向かいます。このアルビオールのおかげで然程時間は取らないでしょうし、これが終わればもうそうそう顔を合わせるような事もなくなるでしょう。ですのでしばしの間我慢をお願いします」
「・・・言われなくとも分かっているが、聞きたいことがある・・・」
「ナタリア様関連の事ですか?」
「っ・・・そうだ・・・」
そうしてアルビオールに乗って奇しくもナタリアの時と同じような状態で話をする孔明にアッシュは不機嫌さを滲ませつつ口を開くが、先読みしたようにナタリアの名を出されて苦虫を噛み締めたような表情になりながら頷く。









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