軍師と女忍、決意を見せる

「・・・覚悟をすれば何をしても良いとはいいませんし、このようなやり方が正しいとは言いません。事実我々のやり方を知れば批判を向けてくる者もいるでしょう・・・ですがアニスの事を含めて良い方向に行かせるためにはやらねばならぬことは色々とありますし、手段を選ぶだけの余裕もありません。事実そうして我々は行動を起こしてきましたが・・・そうして動くならせめて、自分だけの独善で動くような事はないようにしてください。結果がいいなら、誰かに恨まれても自分だけが満足すればそれでいいというのは良くありませんからね」
「・・・モースのように預言保守派に恨まれることはいいんですか?」
「大を取るために小を切り捨てるといった類いの話はよくありますが私もそういったことをしたという自覚はあり、モースのような人々には恨まれることは既に覚悟しています。ですが私が恨まれるだけで世界の存続が出来ると言うなら安いものですし、あの二人を騙すようなことをして引き剥がしたことに関しても批難の言葉は受け入れますよ」
「っ・・・丞相・・・」
・・・理屈として受け入れ、そして意志として強く確立して。
揺るぐことのない言葉を自信の見える微笑で返していく孔明に、ルークは深く感じ入ったように声を漏らす。
「・・・さぁ、一先ず話はこれまでです。後数日でナタリア様と共にダアトから出ますので、貴方は我々が戻ってくるまでゆっくりとダアトに慣れ、どのように生きていくかを考えてください。余程酷い結論でなければ我々は貴方の判断を応援したいと思っていますので」
「はい、分かりました!これからの自分がどうしたいかをしっかりと考えたいと思います!」
そうして孔明が後はゆっくりするようにと勧めれば、ルークは元気良く頷いた為に微笑を深める。決意の固さが伺える若い答えに。









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