軍師と女忍、決意を見せる

「・・・話が少しズレたので元に戻しますが、もう預言により善でも悪でも思考を放棄してしまうようなことは第七譜石に詠まれた預言の中身もありますが望まれる事ではありません。それでもあの二人のように思考を放棄する方々に関してはもうどうしようもありませんが、預言ならばと疑うことなく従い人の命が失われたり不幸になるようなことは認められる物ではありません」
「その考えには色々と知ったから同意出来ますけど、今言ったような予言に不満を持った人を黙らせていたような人達に関しての対策とか取っているんですか?」
「その者達にとっては残酷なように思うかもしれませんが、謡将達と共に処分するように内密な形で動きます。その暗部の者達からすれば今まで教団や預言の為にと頑張ってきたといった気持ちになるだろうことは容易に想像は出来ますが、あまり言い方は良くないと承知の上で言わせてもらうならその者達にとっての忠義が暴走した場合が何よりも面倒になります。今までの預言を元にしたダアトの方針や行動を無しにするなど許せないし、自分達は一体どうなるのか・・・と言ったような事を言い出す形でです」
「それは確かに危険かもしれないですけど・・・説得してどうにかならないんですか、その人達は?」
「とても説得に応じてくれるとは見てはいません。基本的に彼らは預言があってこそのダアトやローレライ教団であり、今までの自分達の行動はその為の物だというように自認しています。そんな彼らがこれから変わりゆくダアトやローレライ教団を前にして不満を持たないままに動かないとはとても思えず、前のような形に戻すようにと言い出して行動を起こすことが考えられます・・・その行動に人々が感化されることも問題ではありますが、何より今までの彼らの行動が日の目に晒されるような事態になればダアトの評判が一気に下がることは避けられません」
「日の目に晒すって・・・そんなことをしたらダアトにとってもまずいことになるってのにいうのは分からないんですか、その人達は・・・!?」
「あくまでこういったことが起き得るといった可能性を挙げているだけですが、ダアトにローレライ教団の在り方を存続させるためになりふり構わないどころか、合理性など考えないままに動くだろうことは有り得ます。追い詰められた者達がそういったことを考えてくれるとは限りませんからね・・・ですから彼らに関しては大々的に教団の方針変更を発表する前に全て捕まえる形を取り、改心の見込みがある者のみを残して処分ということになります」
「・・・分かっていることだって言っても、そういった風な事を聞くと気持ちが重くなりますね・・・」
・・・孔明はそんな話から方向性を戻そうとしようとしていたが、ルークからの疑問の声に余すことなく答えていって表情を苦い物へと曇らせた。今までのダアトの暗部を表に出さない上で出させないようにするには、決してその者達の事を見誤る事は出来ないのだという重さを強く感じたが為に。
「そういうことになりますが、すぐに貴方に我々のようになれなどとは言いません。ですがこういった考えがあるということは理解した上で受け入れるようにしてください・・・その暗部についてもですが、アニスの元の両親についての考えなどについては」
「丞相・・・」
そういった様子に孔明はしっかりと理解をするようにとルークに言い、その真剣な様子に感じ入るように孔明に視線を向ける。









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