軍師と女忍、決意を見せる

「ですのでそういった事を避けるために我々の味方についている預言士に頼んで我々の結婚が詠まれているというように言ってもらい、我々が結婚するようにとの段取りを取ったのです。まぁこちらに関しては預言に詠まれているなら問題はないといったように見られました。疑うような様子を見せられることもなくです」
「・・・預言に詠まれているならそうするのが当然ってお墨付きがあるから反対する理由はないから、ですか・・・」
「そういうことになりますが、そういった形で結婚したものですから彼女と夫婦の営みといったことは致していなかったのですよ。ただ結婚して一年も経つ頃には彼女とも心を通わせることが出来るようになったわけですが、その時には子どもはいいんじゃないかという話になったんです。彼女が動いて得られる情報は彼女でなければ得られない物ばかりであったことも多かったのもありますが、何より我々の行動の最中で子どもを宿して産んで育てるという過程を我々やその子どもが満足いくように出来るとは思えなかったからです。様々と動く中で親子の関係をまともに築けるだけの時間など取れないだろうと」
「・・・丞相達でも無理だと判断したんですか・・・」
「大人相手に策を繰り広げるのと、子どもの面倒に世話に教育は全くの別物です。そして子どもに関してのそれらに絶対的に必要な物は時間になりますが、その時間という物は有限でありとても子育ての為に十分に取れる時間は取れないとしか言いようがありませんでした。ですので自分達の子どもを設けるような事をするのは止めにしようという結論になったのですよ。自分達の大義があるからと子どもに向き合うことを疎かにするよりは、まだ子どもを作らない方がいいだろうという結論に至る形でです」
「・・・そういうことだったんですか・・・」
そうして孔明とくのいちの二人がいかに考え話し合ったかを綿密でいて濃厚さを感じられるような語り口で話終えると、ルークも神妙に受け止めるしかなかった。親の立場に着くという責任を理解しているからこそ、敢えて自分達の目的の為に巻き添えにしないようにしたのだと。
「・・・取りあえず貴方の疑問にお答えはしましたが、その中で何か疑問にあることがあったらお答えしますが」
「・・・あ・・・えっと、ちょっと話が逸れるようなことになるんですけどいいですか?」
「なんですか?」
孔明はその姿に質問があるかを聞くと、ルークは話題が逸れることを承知で疑問があると口にする。
「その、話に聞いた感じだと預言に詠まれてたらダアトの人間は結婚するのが当然だといったような雰囲気は感じたんですが・・・モースって結婚してたんですか?そんな感じの話って全く聞いてないし、モースのあの感じって遠くから見るならともかく奥さんって立場に立つととんでもなく嫌な奴にしか見えないだろうし・・・」
「その事でしたらモースは結婚していませんでしたよ。この辺りは一度モースに結婚はしていないのかと聞いたことがありますが、預言に詠まれていないなら結婚する理由などないと言われました。まぁその言葉に偽りはないとは思いませんでしたが、そもそも預言に絶対に結婚が詠まれているとは限りませんし貴方の考えているようにモースがまともな旦那として機能するとは私も思っていません。この事に関しては預言もそうならないようにと配慮されたのかもしれませんね」
「はは・・・まぁ確かにモースが相手じゃ、女の人が不憫になる姿しか目に見えませんからね・・・」
ルークが口にしたのはモースは結婚をしているのかという疑問であり、孔明はしてないと言いつつ散々な事を微笑を浮かべながら言い、ルークもまた苦笑気味に笑う。預言にモースの結婚が詠まれてなくて良かったと。









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