軍師と女忍、決意を見せる

「そういう訳ですのでアニスとあの二人に関しては一先ずはこれで終わりです。後は何かあってから対処で特に問題はないと思いますから」
「それでいいならいいんですけど・・・一つ聞きたいことを聞いていいですか?」
「何ですか?」
「アニスの事を丞相に奥さんが大事に思っていることは今までの事でよく分かりましたし、二人の仲が夫婦としていいというのは今までの旅でよくわかってるつもりです・・・それで思ったんですけど、二人の間にアニス以外の本当の子どもはいないんですか?」
「あぁ、そういうことですか」
そうして話を終えようとした孔明だったが、ルークが申し訳なさそうに口にして来た疑問に納得する。養子ではなく実子がいないのかを気にした事に。
「その事に関してはまず我々の関係は今こそこのように穏やかで良好な物になっていますが、最初我々が出会った時は貴方が知っている我々とは違っていたのです。敢えて申し上げるなら、目的の為に協力しあうことを狙いとして我々は結婚したのであり最初は今のように心を通わせるようなことは出来ていなかったのですよ」
「え・・・なんでそんな形で結婚をしたんですか?」
「有り体に言うなら政略目的であったり、預言を詠まれる事によって出てくる結婚相手と結婚をするような事態になるのを避ける為です。宗教団体としてキムラスカやマルクトとは体制が違うとは言え、一応私はダアトのローレライ教団の重職に就いている身です。そんな私を見て手頃な相手を身繕い政治的な立場を固める為というような手段を取られることを避けると共に、預言を含めた教団の在り方を変えんと動いている私が預言を詠まれた上でその相手と結婚する・・・などということは私のやろうとしていることや気持ちに立場的に望ましくないと思ったのもありますが、預言を詠んだ場合に出た相手が私の意に沿うような方でなかった場合を考えるとその方が今どのような気持ちでいるかを踏まえると、不幸な未来になるだけの未来以外見えなかったのです」
「だから・・・丞相と奥さんはそういうことを話し合った上で、言い方は悪いですけど結婚って形でもう相手はいるって形にするようにしたんですか?」
「そういうことになります。一応私の場合私側にいる預言士に頼めば誤魔化しは出来たとは見ていますが、物事に絶対はありません・・・考えられた事態としては酒であったり持ち上げられて機嫌の良くなったモースが、私が結婚していないならこの者の娘であったり紹介する女と結婚しろと勢いで言いかねなかった事があります。第七譜石のように大事が詠まれている預言なら守らなければならないが、私の身に関わるような預言など些事にも程がある上にいい話なのだから受けろと私の預言には詠まれていないといった反論の言葉など聞かない形でです」
「あ~・・・言いそうと言えば言いそうですね・・・人の気持ちに立場とか、そう言ったことなんて気にしないで・・・」
そこから孔明は自分達がいかにして結婚したこと以上にいかな事を考え警戒をしたかについてを話していくのだが、特に出てきたモースの例えにルークも否定を返すことが出来なかった。モースのイメージなら決して有り得ない話ではないと思い。









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