軍師と女忍、決意を見せる

「ですがもうそんなことをアニスに体験させるつもりはありませんし、実の両親であるとは言えもう完全にあの二人の子どもではなくなったというようにすることが出来ました。もしあの二人が自分達の子どもなんだしアニスも協力してくれるだろうといったようにアニスを巻き込もうとしたなら、その時は遠慮なく二人の事は拒絶させていただきますよ。もう貴殿方の子どもではない以上、貴殿方の為に動く必要もない上にそう強要に願うことは出来ないと」
「・・・なんとなくそんなことを言ってもそうなんですねってすんなり頷きそうなのは目に見えてますね・・・それなら仕方ないってアニスにこだわることも、借金をしないようにって思うこともなく・・・」
「そうなるでしょうが、却ってその方がもうその時には都合がいい状態になっているでしょうからそれでもういいでしょう。ただそれでも頻繁に二人に見付かるような立場にいられると二人は何も考えずに気軽に声をかけてくることが考えられますから、近い内にアニスを導師守護役から配置換えする予定でいます」
「配置換え、ですか?」
しかしとアニスにもう辛い思いはさせないと語る孔明は配置換えをする予定であると言い、ルークはどういうことかと首を傾げる。
「本来導師守護役と言うのは一人がその役割に就くのではなく、何人かが入れ換わりで昼夜問わずに導師の護衛をする者達の事を言います。ただモースが手を回したことによりアニスが間蝶の役割を十全に果たすために基本はアニス一人がその役割を務め、アニスが休む時間になれば他の導師守護役がイオン様の護衛に就く・・・と言うのがダアト内での導師守護役の動きでした。あくまでモースからしての役目はイオンの監視が目的ですから、イオンが休めばアニスも休むといった風にすれば別段問題はありませんでしたからね・・・ですがモースもそろそろ舞台からいなくなることもありますが、導師守護役を本来の形に戻すことの検討にダアトが色々と忙しくなることと何よりあの二人の関与・・・これらを考えた上でアニスを導師守護役から別の役職に就けるべきではと思ったのですよ。彼女は私やくのいちから色々と教えを授けているのもありますから、他の職場でも能力として問題はないと見る形でそうすることが出来ると太鼓判を押せる状態にありますからね」
「・・・それだけアニスが頑張ってきたってことだとは思うんですけど、本人にはいつ伝えるんですか?それと、本人がそれを希望するかどうかも重要だと思うんですけど・・・」
「その辺りは外殻大地降下が終わった後にでも当人とどうするかと話し合いをする予定です。流石に今すぐであったり、明日あさってといったような状況で話すのはアニスの精神上あまり良くないでしょうから、多少間を空ける意味でもそれくらいがいいでしょう」
「あぁ・・・確かにアニスの状態を考えると、それくらいが良さそうですね・・・」
孔明はそこで導師守護役がいかな役職かに絡まっていた思惑達についてを語った上でそういった考えに至ったかを述べるのだが、ルークがいつ話すかを聞いて返した返答に複雑そうに頷くしかなかった。確かにさっきのアニスを見る限りではすぐに話をするのは色々と躊躇われる状態にあることはルーク自身も感じた為に。









.
11/17ページ
スキ