軍師と女忍、決意を見せる

「言い方は悪いけどそんなことになってそれを放っておいたら、これからのダアトにおいて良くないことを招きかねないんだよね~。一市民がダアトの上層部にそんな形で繋がっていて、かつそんな事で醜聞を撒き散らされたら・・・それからのダアトに結構酷い事になるだろうことは何となくは予想つくでしょ?」
「まぁそれは・・・丞相が引き取った子どもの元の両親がそんな風だって言うなら、上もそんなことをしてるんじゃないかみたいなことを言われるのは・・・」
「うん、大方そんな感じになるだろうね。ただそういったことをするよりもっと効率がいいのは、こういった話を人々に流されたくないなら金を出せって脅しにかかりに来ることなんだ。まぁやろうと思えばあっしが証拠もろともどうにかすることも可能なんすけど・・・大本を断たないといたちごっこになるのもまた目に見えてるんすよね~。かといって金貸しを全部排除なんてことをするのって非効率的ってのもあるんすけど、必要悪っていうか誰かに施すみたいな気持ちで借りるんじゃなく、本当にお金が必要だって人もいるから全排除ってすると色々とまた面倒なんすよ」
「・・・そういった金貸しを完全に排除は望まれない以上は、元々のアニスの両親をどうにかするしかないって事ですか」
「そういうこと」
くのいちが語るこれから起こる可能性の有り得る事に加え、金貸しを全て排除出来ない理由・・・それらを聞いてルークもまた納得した。色々問題はありはするが、そこまで聞けば確かにアニスの両親をどうにかした方がいいとなるのに理解は出来ると。
「・・・ただそうするにしても、二人の事をどうするつもりなんですか?前に言っていたダアトから人が離れる際に二人がダアトから出るっていうのはあんまり想像出来ないんですけど・・・」
「その質問に答えるためにもお聞きしますが、どうして貴方は二人がダアトから出ないと思ったのですか?」
「えっと・・・さっき母親の方に会って前に聞いた話に今の話を聞いてからそう感じたんですけど、ローレライ教団や預言以外に特にこだわる物がないように思えたんです。けどそれでローレライ教団が形を変えて預言が詠まれなくなるからって、あの人やその似た者同士だっていう旦那さんがそれならダアトを出てやるみたいな気持ちになるかって言われると、今までローレライ教団にダアトで暮らしてきたからそうする理由はないみたいに言うんじゃないかって・・・」
「・・・言葉にしようとしてどう言えばいいのかを探り探りで言っているのは分かりますが、貴方の考えは私の考えと合致しています。確かにあの二人は預言を詠まなくなってもローレライ教団があることに、ここが故郷であることからダアトを離れる事もその理由もないでしょう」
「丞相もそう思うんですか・・・」
その上で対策について聞くルークだが孔明がどうしてダアトを出ないのか考えたのかを聞いてきた為、言葉を探しつつ答えていったその中身に自分も同じと答えられたことにそうなのかと真剣に受け止める。
「確かにあの二人に関してはダアトを離れるといった選択は相当な理由が無ければ自分達からはそうはしないでしょう。ただ我々の立場としてもそうですが、出ていく人がいるなら職を斡旋することも含めて出ていってもいいし残りたいなら残ることは構わないというように言う以上、二人にだけダアトに残るなと言うのは二人は受け入れてはくれるかもしれませんがそれが周りに知られたらどういうことだと噂になりかねません。そして何より渡航を禁じて鎖国など出来ない以上、やはりダアトに戻りたいと自主的に戻ってくる可能性は大いに有り得ます。そうなった場合、妙な時期に妙な事件を起こしかねませんので言い方は悪いですがただ二人を追い出すような事は出来ません」
「・・・じゃあ、二人にはダアトにいてもらうようにしてもらうんですか?」
「えぇ、基本的には」
「基本的には・・・?」
その上で二人をダアトから出した場合に関する危険に繋がる可能性を語る孔明にルークはダアトにいてもらうつもりであると察するが、基本的にとの言葉に首を傾げる。何故断定の形ではないのかと。









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