軍師と女忍、決意を見せる

「・・・でもなんでこうして俺に話をしたんだ?さっき会ったのは偶然なんだろうし、俺に何かしてほしいこととかあるって言われても今日初めてあの人に会ったばっかりだからどうしようもねーぞ」
「いや、そういう訳じゃなくて・・・いい機会だからもうパパ達との事について色々と決めて終わらせるべきかなって思ったんだ・・・確かに今もパパやママ達への想いは私の中にはあるけれど、お父さん達と過ごす中でもうパパやママ達と一緒にいたいって思えるような気持ちが無くなっていったんだ・・・二人は本当の意味で私って言うか人を見ていないし、預言や軽々しく借金が出来るような環境が無くなってもあの人達は変わらない・・・そう思うと、もう二人と完全に決別するために動いた方がいいんじゃないかってね・・・」
「・・・だからこうしてその場にいた俺にその決意を話したかったってとこか・・・」
「うん・・・家族の事に巻き込むようなことをして悪かったって思うけどね・・・」
それでルークは何故自分にそんなことをと聞くと、アニスが元々の両親に対する苦い気持ちを先程に感じたことも併せて口にした上で頭を下げる。実際その場にいたから巻き込んだだけなのは確かだった為に。
「・・・前の俺だったら勝手に俺を巻き込むなとかって言ってただろうけど、こうやって俺は隠れてじゃあるけど無事に生きていられるようにしてもらうくらいには世話になったからな。だから話くらいはいくらでもしてくれていいし、何だったら出来ることがあるなら力にはなるよ。それくらいしないと借りって言うか、むしろ俺が申し訳無い気持ちになるしな」
「ルークっ・・・ありがとう・・・」
だがそんなアニスを励まそうとルークが笑顔を浮かべて大丈夫だと濁りなく告げたことに、アニスは少しドキリとしたようになりながらもまた頭を下げた。嬉しいといった気持ちを滲ませながら。
「・・・つってもこの問題に関しては俺がどうこうするよっか、丞相達に話をした方が良いと思うぞ。実際問題としてあの二人がアニスの今の親なんだし、元々の親に何か言うってんならあの二人から言ってもらわないといけないこともあるだろうしよ」
「・・・そうした方がいいか・・・」
しかしそう言いはしたものの孔明達に話をした方がいいと切り出したルークに、アニスも意気を削がれながらも頷くしかなかった。ルークの言ったよう、この問題は二人に話した方がいいという考えになったために。
「んじゃあんま気乗りはしないかもしれねぇけど、丞相の所に行こうぜ。今はあまり時間が取れねぇかもしれねぇけど、せめてこの事に関して今のうちに話くらいはしといた方がいいだろうしよ」
「うん、そうしようか・・・」
それでルークが早く行くようにと気を使いながら言うが、やはりこの問題は自分のみで解決出来ないと認めるしかなかったアニスの表情が明るい物に変わることはなくただ頷くしかなかった・・・









・・・それで二人が丞相用にとあてがわれた部屋に行くとちょうどよく二人ともにそこにいて時間も問題ないといった返答が返ってきた為、ルーク達は先程の出来事及びアニスが今どういう考えであるかについてを説明した。









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