軍師と女忍、決意を見せる

「久し振りね、元気にしてたの?」
「・・・うん、元気にしてたけど・・・そっちはどうなの?最近会ってなかったからどうなってるのか私は分からないんだけど、お金は前に言ったように簡単に使ってない?」
「簡単になんか使ってないわよ、アニス?困ってる人がいたからその人に渡しただけだから」
「・・・また・・・」
「・・・アニス・・・」
そこからパメラはアニスに嬉しそうに話し掛けるのだが、そこで疑うことのない笑顔を見せて金は使ったと言い切る姿にたまらず表情を歪ませ、ルークも何とも言いがたそうに小さく名を漏らす。
「・・・ごめん、今この人にダアトの案内をしてるところだから私もう行くね・・・」
「分かったわ。じゃあね、アニスちゃん」
アニスはその空気に居たたまれなくなったというように行くと言うのだが、全くパメラはどうしたのかと疑うことなく手を振りつつ場を離れていく。
「・・・アニス・・・」
「・・・ちょっとルークの部屋に行こっか。あんまり人に聞かれたくない話をするから・・・」
「・・・聞くなって言わないのか?」
「・・・本当ならそうしたいけど、これからの事を考えるとちょっと話をしとかなきゃならないかなってね・・・」
「・・・分かった、んじゃ行くか」
ルークは心配そうに声をかけるが、アニスが覚悟を決めたように話をすると言ったことに自身も覚悟を決めて頷きあてがわれた部屋の方に向かう。









・・・それで二人はルークの部屋に辿り着き、対面する形で話を始める。
「・・・前にちょっと話したことがあるの覚えてる?あの人が元々のママだった人だよ」
「まぁそりゃ反応からそれは分かったけど・・・その話を聞いたの思い出す限りだけど、本当に人が良さそうな人だったな・・・会話の中身的にまた金を使ったのを全く後悔してなかったみたいだけど・・・」
「うん・・・しばらく会ってなかったけど、やっぱりママもそうだしこの調子だとパパも変わってないと思う・・・昔からあんな感じだったから・・・」
「・・・でもそうやって金を借りれるのってもうそろそろ終わりなんじゃねーのか?モースももう捕まって長くなるんだし、金を貸してくれる奴もそれを知る機会ってヤツがくるのを知るだろうしよ」
「多分借金をさせてた人は今頃はお父さん達に注意を受けるか、同じように牢屋に繋げられることになると思う。例えモースの命令があったって言ってもやり方が悪質だし、そう言ったことを許してたらまた同じような人が増えちゃうってことになりかねないからって事でそうするらしいんだ」
「まぁそりゃな・・・でもそんな奴らが捕まったとして、本当の両親はどう思うと思う?罪状についてちゃんと聞かされたとしてよ」
「・・・多分そんな悪い人だったのか程度でそれ以上は何もなく終わると思う。あの人達は人を疑わないのと同時にお父さん達に聞いたのもあるけど、人がいい反面で預言関係以外での人に関して関心が薄い事からそのまま話を聞いて恨みも怒りもなく終わる感じになるだろうって・・・」
「はっ?・・・いや、こういうことをアニスに言うのはなんだけどよ・・・流石にちょっと人としてズレすぎちゃいねーか、それ・・・?」
「・・・気遣ってくれるのはありがたいけど、私が誰よりもそれは理解してるよ・・・人が良すぎて悪人を悪人と思うことがなくて、悪人なんかむしろいるのか・・・必要にかられてやりたくないことをやってるだけで、元は善人だなんて本気で疑うことをしない人達だから・・・」
「・・・マジか・・・」
そうしてアニスの両親について話を進める二人だが、アニスのあまりにも真剣でいて嘘を感じられない重い言葉の数々にルークも引いた様子になってしまった。あまりにも人を見ていなさすぎるといった様子がまざまざと伝わってきた為に。









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