軍師と女忍、決意を見せる

・・・様々な観点から数日の間の時間をダアトで過ごすことにした孔明達。その中でナタリアにマルクトの二人組は基本的に穏やかな時間を過ごし、孔明を始めとしたダアトに所属している者達はダアトにいなかった際の仕事を片付けつつ時間を過ごしていた。



「・・・大丈夫なのか?導師守護役が導師から離れて」
「いいんだよ!今はアリエッタに代わってもらってるし、私もちょっと気晴らしに散歩したいところでルークもダアトの事を知りたがってたんだしさ!」
「そうなのか」
・・・そんな風に過ごす一行の中で法衣を来てフードを目深に被ったルークはダアトの中を歩きつつ共にいるアニスに声をかけると、元気よく大丈夫と返ってきたことに納得する。
「あ・・・それなら疑問だけど、これからはアリエッタが導師守護役にまた戻るのか?話を聞くと、元々導師守護役から外されたのは被験者の事があったからって聞いたけど」
「ん~、その辺りはまだハッキリはしてないっぽいんだよね~。確かにアリエッタは導師守護役から外されたことに辛い想いをしたんだけど、お父さんから被験者の事だとか色々知ってからはそうこだわることは無くなったらしいからね~・・・多分その辺りに関してはお父さんもアリエッタにどうするかっていうのはそろそろ聞かれると思うよ。もう六神将っていう風にまとめるにしてもラルゴは表舞台に復帰はしないし、アッシュは言わずもがなって状態だから六神将なんて神託の盾の顔役って体を為さなくなるだろうしね」
「顔役が必要なくなるねぇ・・・まぁそういうことならそアリエッタとの気持ちがどうかって感じか」
そこでふとルークはアリエッタが導師守護役に戻るのかを聞くが、アニスが丁寧でいて特に制約はないと答えたことにまた納得した。アリエッタが自由に決めることが出来るのだと。
「・・・アニスはアリエッタはどうすると思う?」
「ん~、どっちを選んでも私は構わないって思ってる。アリエッタは色々複雑な立場にいたし、お父さんとどう話すかだと思うからね」
「丞相次第でアリエッタはどうするか決めるってことか・・・話に聞くとアリエッタも助けられたってことなんだよな、師匠やモース達から」
「うん。多分とかじゃなくお父さん達が働きかけてなかったら、謡将達の言うことを聞くだけで私達と敵対してたっていうのは間違いなかったと思う。まぁお父さん達がどうにか出来ると思ったから行動をして事なきを得たんだけどね」
「ちなみになんて言ったんだ?アリエッタをどうにかするのって意外と難しいと思うんだけど」
「その辺りは私は直接会った訳じゃないから何とも言えないけど、被験者関係の事は言ったらしいんだよね。まぁ言わなかったら多分アリエッタも流石に謡将の事を諦める気にはならなかっただろうし」
「あ~、性格的にそんな感じだよ、な・・・?」
そんなアリエッタの事に関してを話していく二人は穏やかな雰囲気になっていくが、途端にアニスが足を止めた事にルークは疑問に思い顔を覗き見ると複雑そうな表情を浮かべて先を見ている。その様子に視線の先をルークが見てみると・・・
「あらあらアニスちゃん、久し振りね!」
「ママ・・・」
「えっ・・・?」
そこにいたのは笑顔で二人に近付いてきた妙齢の女性だが、アニスが呆然と呟いた単語にルークは戸惑いに声を漏らした。目の前の女性が本当のアニスの母親なのかと。









.
2/17ページ
スキ