軍師と女忍、まとめる

「そういった表情に感情に思考といった、それらを忘れないでください。そう出来なければ、ナタリア様からしても良からぬ事態になりかねません。それこそルークが生きているという事がバレたなら、キムラスカとダアトの関係が悪くなることもそうですが、ナタリア様もアッシュに距離を置かれる可能性は高いでしょうからね」
「っ!・・・わ、私が・・・嫌われる・・・!?」
「嫌うは言い過ぎにしても、彼が貴女とどういったように接するのかの検討はされるでしょう。まぁ貴女が嫌われる事を覚悟でルークを庇うと共にアッシュに引け目なく接することが出来れば話は変わっていたかもしれませんが、それが出来ないからこその今になっている事はナタリア様自身お分かりになられている筈です」
「っ・・・!」
ただ孔明はそんな表情だからこそいいと告げる中で苦心したくないといった様子に自分で選んだことだろうといったように告げると、ナタリアは辛さを滲ませながらうつむくしかなかった。孔明の言葉通り積極的に二人というかアッシュの気持ちの改善に動けなかったのは確かだった為に。
「・・・いずれはそういった悩みに考えは乗り越えるべきことです。ナタリア様が以降は女王となり彼の伴侶として側にいるというのであれば、尚更に。そしてその為にも今は悩まれた上で自制を持って行動されてください・・・そうしなければ事はアッシュとルークだけでなく、オールドラント全てを巻き込みかねない大惨事になりかねませんからね」
「・・・はい、そうします・・・」
「ありがとうございます・・・ではリグレット、ナタリア様を案内してください」
「はっ」
そしてこれが最後だと孔明が助言を送ってナタリアが力なく頷いた姿を見て、リグレットに案内を命じる。これでナタリアへの話は終わりだと。



「ん~、あれだけ複雑な表情を滲ませてるなら大丈夫っぽいっすね~。アッシュならルークが実際に死ぬ瞬間を見たからって苦い表情から思うだろうし、ナタリア様は演技をしようとして四苦八苦って表情をして結果的にアッシュはそれで勘違いしそうだし」
「まぁアッシュの場合は彼女に夢を見てるというか、我々から何かを言われたと想像しているかどうかも怪しいですからね。仮に彼女の反応が不審には思っても変な所で彼女を思う気持ちで疑う心を無くすでしょう・・・まぁそれを見越してこのようにしたのですがね」
「まぁルークを意地でも殺すなんて展開にしたって、誰も喜ぶ筈ないですもんね~。結構な確率でアッシュ自身もルークを殺したなんて喜んでも、その後でろくでもない目に合うのも目に見えてますし」
そしてナタリアがリグレットに連れていかれたのを見送った後、孔明とくのいちは互いに笑みを見せあいながら会話をかわす。これで成功だというよう。
「・・・今更ですが、ルーク殿を生かすことを我々にも話す形を取ってよかったのですか?やろうと思えば貴殿方がだけでも出来たのではないかと思われますが・・・」
「キムラスカに戻す際に本人にはお話ししますが、マルクトもこの事を知っていると認識していただく為ですよ。あの方には酷なようですが何もない時の演技力に関しては正直期待出来ませんので、マルクトもこの問題は認知していると聞けば更に思い詰めたような表情になるでしょう。とは言えもし何かあったとしてもマルクトに迷惑をかけるような事にはしませんよ」
「そうですか・・・」
ただそこで何故とフリングスが自分達も知る必要があるかと聞き、孔明が返した言葉に何とも言いがたそうに漏らす。孔明の徹底さもそうだが、そこまで念を入れなければならないということに対して。









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