軍師と女忍、まとめる

「ですのでナタリア様は結婚という段になればハッキリとは言葉にされなくとも、子作りを奨励される事になると私は見ています。ただ今申し上げましたように頑張っても子どもが出来ないと言うのはまだしも、何らかの理由から行為そのものを拒否することはナタリア様の立場から考えるなら望ましい物ではありません。それこそ妾を作るようにと話を進められると言ったような、次代の為といった名目の対策を取られかねません。故にそのような行為を毎日とは言わずとも任意に取れるようにするためには、いずれ王になり先の会談のようなことでもなければまずバチカルに常時滞在することが求められる彼といることが望ましく、また他の方々のナタリア様の見る目も変わるというわけです」
「・・・そういうことなのですね・・・」
だからこそ色々な理由からバチカルにいた方がいいと言う孔明に、ナタリアも真剣な様子で頷く。様々な点で考えられた話を前にして。
「ただ注意を先に言わせていただきますが、あまりにも露骨に私は子作りを頑張っているのだから平時にやるような公務を些事だというような考えを持つのは望ましくありません。子作りは確かに次代の事を考えれば確かに大事ではありますがだからと言って他の事を疎かにしてしまえばまず言葉にはされずとも、批難の目を向けられることは避けられません。言ってしまうなら色狂いになったと言うような見られ方をされることになる可能性は高くなります」
「い、色狂い・・・!?」
「子を成すためという目的があるとは言え、そればかりに気を取られるようであればナタリア様がそのようになった・・・と言ったように見られると言うことです。そして彼らもまたそのような形に貴女が行動するのはどういうことかと見ることでしょう。まぁ彼の事ですからそこまで頻繁でなければ貴女の気持ちを受け入れて行動はするでしょうが、妙な所で潔癖な彼は政治が関わるところであったり私の助言からそうすることにしたなどと匂わせるようなことでも言えば、例え貴女が望もうとも簡単には行為に至ろうとはしないでしょう。ですのでこの場での事は他言無用の上で適度に間を空けてください。よろしいですね?」
「・・・はい、分かりました・・・出来る限りはそうするように致します・・・」
しかしと注意をつらつらと話していく孔明の話の中で色狂いと出た言葉にナタリアは驚愕するが、節度と慎重さが必要になるといった返しに納得すると共に不安げな言葉で返すしかなかった。キムラスカに戻って以降は自分で行動するしかなく、孔明に頼れない状況で失敗も自分だけの責任になるということに。
「・・・取りあえず私から言えるのはこれくらいですね。私はあくまで大きな問題についてを述べさせていただいただけですが、細々した問題などに関しましてはナタリア様がバチカルに戻られて自らの力で解決をお願いします。我々はこの旅以降、まずバチカルにまで来れるような事はありませんので」
「っ・・・はい、分かりました・・・」
そしてもう助言出来ることは他にはない上で自分で立ち向かうしかないと孔明は淡々と告げ、ナタリアは何か言いたげにしながらも頷くしかなかった・・・と言ってもその何か言いたげな中身は以降も助けてほしいといった物であっただろうというのはこの場にいた誰にも想像は出来たが。









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