軍師と女忍、まとめる

「・・・父上は何の用があるんだ?」
「そう身構えなくてもいいでしょう。おそらく昨日貴方と妻が話をしたことの延長線くらいの話だと思いますから」
「まぁそれなら別にいいけど、なんで丞相以外でなんて言ってきたのか・・・」
「単純に私の顔が人々の印象に残っているだろうことと、そんな人物がキムラスカの領事館に入っていったとなればどういった話がされているのかと話題になるのを避けたいからでしょう・・・他意はないでしょうし、妻も付けますので領事館に向かってくださいルーク」
「あぁ、分かったよ」
それで屋敷の人間が出た後にルークはどういうことなのかと聞き、孔明が特に心配ないというその中身にすんなりと向こうに行くと返す。









・・・それでくのいちと共に夜のケセドニアの中を歩き、二人はキムラスカの領事館に辿り着くと公爵の待つ部屋へと通された。



「来たか・・・」
「ご用件は何でしょうか?」
「そう固くならなくてもいい・・・今回は最後の挨拶の為に来てもらっただけだ」
「最後、ですか・・・」
三人だけの部屋で公爵と対峙してルークは固い口調になるが、どこか哀愁を漂わせるその返しに釣られて何とも言い難そうな表情になる。
「昨日のナタリア様との会話については本人から聞いた・・・その時にもうお前とはこれで二度と会うことはないのだろうといったように感じたのでな。ここで別れの挨拶をしておきたいと思ったのだ」
「・・・ありがとうございます、俺にそんな風に言ってくれて」
「いや・・・確かにお前がいなくなることに賛同したのは間違いはないが、私個人としてはあまり気持ちの良くないと今も思っている。それに礼も言わねばならぬと思ってもいたのだ・・・色々と状況が望んだとは言え、ナタリア様に諫言を送ってくれた事にな」
「・・・今ナタリアはどうしてるんですか?会談の時は今までになく大人しくしていましたが・・・」
「未だにショックが大きいようで、会談が終わった後に物憂げな表情を保ったままに部屋に戻った。やはり言われたことについての衝撃を隠しきれてないのだろう」
「そうですか・・・」
そんな公爵と話をする中でナタリアの現状についてに話題は移り、まだ衝撃を受けているといったままとの言葉にルークはただそれを受け止めるしかない。
「・・・申し訳ありません、公爵様。話を聞いているならお分かりでしょうが、私もその時にナタリア様に申し上げたことで今のような状態になられましたので」
「いや、奥方の言われたことは何も間違っておりません。話の中身を聞く限り貴女が言われたことは平時でもそうですが、これからのキムラスカの事を考えれば必要な心構えに考え方です。ただナタリア様がその時の事を引きずっておられる事には我々もどうかとは思っていますが・・・これからの事を思えば下手に割り切った表情になる方があまり良くないかと思うと、複雑ですね・・・」
「あぁ・・・どちらにしてもナタリア様には協力していただかなくてはなりませんが、その時と言うかアッシュと会う時には同じようになっていると思われますのでそこは心配はいらないかと」
「・・・確かにナタリア様の性格に考え方ならそうなるでしょうな・・・」
くのいちはそんな会話に入って謝罪をしてから公爵と話をするが、ナタリアの事に終始公爵は複雑な表情を浮かべるのを止められずにいた。やはりあまりにも未熟さを感じずにはいられないナタリアの姿にどうにかならないかと考えているのだろう。









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