軍師と女忍、まとめる

「それでは他に質問はありませんか?・・・・・・どうやら無いようですね。ではこれまでにして簡易にではありますが屋敷を出て、改めて和平が成った事を外で公表するようにしましょう。先程のやり取りだけでも人々は和平が結ばれるであろうことは想像はしているでしょうが、ハッキリとした形で公言をすれば人々の反応も一層違ってくるでしょうからね」
「うむ、分かった。では早速外に出て宣言をすることにしようか、ピオニー陛下」
「あぁ、そうしよう」
そんなローレライに関しての話から他にないかを聞いた後に和平の公言をするべきだと言う孔明に、両陛下は特に反論することなくそうしようと顔を見合せあう。









・・・それで屋敷を出る前に孔明はあくまで自分は導師を支える丞相という立場にあることから、外を出てからの司会役は導師に任せるとイオンにその役目を任せた。

そうして外に出た一同は屋敷の外でどうなるかと野次馬根性で待機していた人々の前に姿を現し、イオンが場をまとめるように話をしていき和平が結ばれたことを告げて両陛下が再び握手をすると人々からは歓声が挙がった。

互いが互いに相手国に対して気持ちよくない思いを抱いている者達も多く所属してはいるが、このケセドニアではキムラスカにマルクトのどちらの人間も所属していてそういった敵の国の人間だからと一々敵視していてはやっていられない・・・そういったことを理解しているのもあるが、このケセドニアでやっていくには基本的に穏健派であることが望まれていてそういった人物ばかりであったために。

そうして歓声が起こった後に両者は共に各自の領事館へと戻っていき、孔明達もアスターの屋敷へと戻っていった。



「イヒヒ、お疲れ様でした皆様。話によれば明日には出立するとの事ですので、今日はこのままゆっくり休まれてください」
それで屋敷の広間に来た所でアスターは孔明達にゆっくりするように言うと、自身の私室の方へと退出していく。
「取り敢えず会談もそうですけど、聞いてた人達にこう言った結果になったって示すのは成功ですね旦那様~」
「そうですね。まぁやることもやり終えて今日はもう取り立てて用事もありませんから、後はゆっくりとしましょう。何かあるにしても先程の余韻があるうちに誰かが何かをするとはあまり考えづらいですからね」
「んじゃ~何かあるならその時にってことで」
くのいちはそこでどうするのかを孔明に聞くと、すぐに何か起きることはないだろうとの答えになら後ででいいかと気楽に返す。









・・・そうして孔明達はアスターの屋敷でゆっくりとした時間を過ごし、人々の熱狂も日暮れと共に冷める形で静かな時間となっていった。



「・・・失礼します。少々内密に話したいことがあるからキムラスカ側の宿に来てほしいと、ファブレ公爵よりの使いが来ていますが・・・なんでもそちらのルーク様に話があるとのことで・・・」
「・・・成程、やはり来ましたか・・・」
・・・そんな時に屋敷の人間が孔明達の部屋を訪れ、用向きについてを伝えると孔明は予想通りと微笑む。
「つきましては内密にとのことで、ルーク様と丞相以外の誰か一人のみで来てほしいとの事ですが・・・」
「分かりました。すぐに向かうとお伝えしてください」
「はい、かしこまりました」
更に条件をと口にしてきた屋敷の者に孔明はすぐに頷き、場を後にしていく。









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