軍師と女忍、まとめる

「その理由としては単純な話として、創世歴時代の技術により確立されたプラネットストームの改良など今の技術ではどうあがいても望めないからになります。いえ、下手にプラネットストームを弄ればラジエイトからアブソーブの二つのゲートを経由する形で巡っている第七音素の流れが途絶えるばかりか、今は何とかタルタロスによって抑えられている障気が妙な形で噴出して誰もそれを止められなくなる事態になることも否定は出来ません」
「っ!・・・確かにそう聞くと、迂闊な事は出来ぬな・・・」
「はい。それにもし仮にプラネットストームの改良に取り掛かるようにしても、問題は多々存在します・・・プラネットストームの成り立ちをどのように解明をするか・・・その研究や問題解決の為にどれだけの資金がかかるのか・・・我々に陛下を始めとした皆様方が生きている内に解決の為のメドは立つかの推測が出来るかどころか、百年単位で未来が進んで成功するか否か・・・簡単に挙げるだけでもこれだけの問題が出る中、タルタロスの限界が来ればまた同じように処置をして解決のメドが立つまで諦めないと言うのはとても私からお勧め出来るような物ではありません。障気が噴出してから作業に取り掛かるとなれば相応に時間がかかり重体かそれ以上の状態になる人々が多々出てくる事は十分に有り得ますし、後の世代がその作業を疎かにするか今回の処置を施したタルタロス自体が作れないと言った事態になったなら、どう軽く見積もった所でオールドラントが壊滅的な被害を受けることは避けられないばかりか最悪はそれこそ滅亡の未来が待っていることでしょう」
「・・・そうさせないように確実にするためには、もうプラネットストームを停止する以外に手段は無いと言うことか・・・」
「そうなりますが、最大の理由としては・・・謡将が知った第七譜石の中身にあった障気に包まれてオールドラントの最期を招くというその中身・・・これも併せれば、オールドラントの未来の為には障気を復活させないようにする事が最重要になるからです。しかし今申し上げた通りプラネットストームの改良などとても出来るはずもない夢のまた夢といった状況であるのに、もしかしたら出来るかもしれないと言った一縷の望みにかけて預言に詠まれた障気の危険と天秤にかけるなどとても未来を見据えた行動とは言えません。お耳汚しな言葉と知りつつ敢えて申し上げるなら、そのような行動を取るのであれば愚の骨頂と言えるでしょう」
「「「「っ!」」」」
・・・口調こそは丁寧ではあるが、孔明が愚の骨頂とプラネットストームの停止をそれでも願うだろう者に対して評した言葉に、今まで詳しく話を聞いていたキムラスカにマルクトの面々は驚愕に目を見開いていた。今までの付き合いから孔明がそんな言葉を使うというイメージは持っていなかった為に。
「・・・今まで第七音素の恩恵に預かっておきながら今更だと思う方もおられるでしょうし、今すぐ決断すべき事ではないように思える方もおられることでしょう。ですがこの問題は後に後にと後回しにすればするほどに危険となる度合いが増していく上、恩恵をギリギリまで甘受したいという考えを持つのは責任ある立場の者が取るべき行動ではない・・・そう思うからこそ、敢えて厳しい言葉で申し上げさせていただいたのです」
「「「「・・・っ!」」」」
そんな様子を見たからかそういった言葉を口にした理由を言葉にする孔明に、一同はハッとした表情を浮かべた。この問題を真剣に解決したいと考えているからこそ、考えのなかったり甘い行動を求めていないのだと。









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