軍師と女忍、まとめる

「ではアスター殿の言葉通り、私がこの場を取り仕切らせていただきますが・・・まず外で握手を交わされたことの再確認のような形になりますが、キムラスカにマルクトは和平を結ばれるとのことでよろしいですね?」
「うむ、そうだ」
「それで問題ない」
そして司会役を務めるとしつつまずはと和平の締結についてを聞くと、両陛下共に迷いなく頷く。
「ではまずは和平の締結の書状を作りましょう。アスター殿、紙を用意されてください」
「イヒヒ、分かりました」
そう返ってきた返答に視線を向けながら指示を出す孔明に、アスターもすぐに動き出す。









・・・それで少しの間紙に両陛下による和平の締結を示すための書面にサインをするため沈黙の時間が訪れ、ピオニーのサインが記された紙がイオンの手に渡された。
「・・・これで和平は締結されることになりました。これ以降も両国の良き関係がいつまでも長く続くことを願いたい所ですが、そうなるかどうかはこれよりの話し合い次第になります」
「これよりの話し合い、か・・・そちらの手により一先ずは外殻大地を魔界に降ろしても大丈夫だとなったとのことだが、それはあくまで一時しのぎで十何年かが精々と言った所だとの話・・・それをどうにかするための手立ては見込みだけでも立っているのか?」
「はい、それは勿論・・・ですがそれをお話する前にまずは、ローレライの解放をするか否か・・・この事を決めなければなりません」
「ローレライか・・・」
その様子を確認して話を進める孔明にピオニーは完全な障気の問題の解決についてを聞くが、ローレライの方が先だとの返しに他の面々も難しそうな表情を浮かべる。
「あれから私もローレライの目的は何なのかに彼を解放しても危険性はないのかであったりと色々と考えてはきましたが、彼が完全に大丈夫だとも危険だとも確定はしていません。もし彼が良からぬ目的を持っていて地上に出た場合は面倒な事態になる可能性は十分に有り得ますが、そうだとも言い切れません」
「ならば放っておく方が良いのではという考えにはならぬのか?触らぬ神には祟りなしと言うが・・・」
「その事も考えなかった訳ではありませんでしたが、以前までと違い魔界に外殻大地を降ろす事から地核に距離が縮まることに加えて、ローレライの鍵が存在することが不安要素になります。もしローレライが我々が自分を解放する気がないと何らかから悟ってこちらに害を為すつもりは元々は無かったにしても、考えを変えて行動を起こす可能性もまた否定出来ません・・・ただそれでも一応は私も彼を解放するとなれば保険をかけた行動を取りはしますが、事前にお話させていただきましたようどちらにするべきか考えてこられたであろう結論をお聞かせさせていただきたいのです。こればかりは我々の独断で決めるわけには参りませんので」
「「・・・」」
それで自分が考えた上でどうなるかの保証についてを言いつつどういった結論を出したのかを確認する孔明に、インゴベルトもピオニーもそっと決意を固めるように目を閉じる。
「・・・キムラスカとしてはローレライの解放に賛同する。どうせという言い方は良くないと知りつつ言うが、どちらも未知数であることには変わりはないのなら後々に問題になることになり得るなら先に対処した方がいいとの結論になった」
「こちらも同じだが、こちらとしてはオールドラント全体の為にでもあったのだろうがマルクトを救ってくれた恩人とも呼べる存在だ。問題の解決に取り組みたいと言うのであれば、こちらはその意思を尊重することにした。だからそちらの判断に任せよう」
「・・・ありがとうございます」
そして意を決したようインゴベルトが解放してもいいと切り出し、ピオニーも同様としつつ孔明達への感謝も述べ上げた事に孔明は感謝で頭を下げる。そのような信頼を向けてくれることに。









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