軍師と女忍、動き回る

「でもあの話の中身を話したかったって言うのも事実なんだよ?国の政を行う際に私心から行動に判断をすることなんて望まれることじゃないし、そこに結果が伴わないなんて事態はそれこそ最悪とかって言葉一つで片付けられる事じゃない・・・でもあの姿を見たなら分かるでしょ?アッシュがそういった行動を取った場合、あのままだったらあの人はルークに向けるような強い言葉程ではなかったりしても強く言われたら萎縮したり、またはこれは必要なことなんだから分かってくれ・・・みたいな風に弱気と切実さが入り交じったような顔と言葉を向けられたら、あの人はそれを拒否出来るような人じゃないってことは」
「・・・まぁ言いたいことは分かるけど、何であの人呼びなんだよ・・・?」
「まぁ一応外を歩きながらだし、ちょっと念のため念のため♪」
「そういうことか・・・」
くのいちは続けて先程の話もしなければならないからしたとナタリアが直面しそうな事に言いそうなことを口にし、ルークは納得しつつなんで名前を言わないのかを聞くが周りに視線を向けながら気楽に返すその姿にまた納得する。ちゃらけているように見せてちゃんと周りのことを警戒しているのだということに。
「・・・でもあの様子を見てるとすぐに改善出来るとは思えねぇけど・・・」
「まぁそりゃね~。ただ片方だけじゃなくどっちもどっちで拗らせてて、どっちもどっちって形でそれを改善に取り掛かろうとは思えるような状態じゃない・・・だから私からあの人にルークの事を諦めてもらった上で、アッシュに対して夢を見るのを止めてもらうようにって忠告したんだよ。仕上げを終えればアッシュも多少は変わりはするだろうけれど、だからってあの人が何も変わらなくていいわけじゃないしましてや人がやったことだから自分は関わるような事じゃない・・・なんて思われるってのはこっちとしてもどうかって気持ちになるしね~」
「・・・その考えは分かるわ、ホント・・・」
ただと改善があるかを疑問視するルークだったが、結果もそうだが言いたい気持ちもあったとのくのいちの返しに重く納得する。ナタリアだけ平和でいて、責任も何も感じることなくただ嘆いていればいいといった気持ちにはなれないと。
「ま、取り敢えず言うことは言ったし陛下達への義理立ても果たしたんで戻りやしょうや。報告もそうだけど明日には会談もあるし、早目に休息ってことで」
「まぁそりゃいいけど・・・多分明日、どう考えたってナタリア暗い表情で来るよな・・・」
「気にしない気にしない。そこら辺は向こうから切り出したことなんだし、自業自得って思った方がいいっすよ。それにこれからまたどんどんあの人にとって針の筵になるばっかだから、自分で乗り越えてもらわないとこっちもいつまでも面倒を見切れないんで」
「・・・そう考えりゃもうどうなろうがほっとく方がいいってことか・・・」
そんな会話から早く戻るように言うくのいちはルークがナタリアはあれでいいのかと聞かれ、気楽そうに答えながらも辛辣な中身を返すと仕方無いといったようにルークも納得する。これ以上どうしようもないのだと。









・・・それでくのいち達は孔明達の元に戻り、報告を済ませた以降はゆっくりと過ごした。そして翌日となる両国首脳の会談を日を迎えた・・・





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