軍師と女忍、動き回る
「だからこそこだわることを止め、割り切るようにと私はオススメするのです。ルークが戻りアッシュと仲良くというのが貴女にとっては理想の展開なのでしょうが、事が起きてしまえば取り返しがつかないのは今言った通りになります・・・そしてルークの事に限らず言えることですが、アッシュの事を割り切れないというのはこれからの貴女の立場を考えれば許されない事です」
「わ、私の立場として許されない・・・?」
「ではお聞きしますが、ナタリア様はキムラスカの王女殿下であり将来的には女王として、王の伴侶として隣に座られる身になられる訳ですよね?」
「そ、そうですが・・・一体何を・・・?」
「その時の貴女はアッシュにだけこだわることを許されない立場にあるということを理解していただかなくてはならないのですよ?」
「え・・・?」
ただまだ話を続けていく中でくのいちは次第に笑顔を消していき無表情になっていくのだが、アッシュへのこだわりは許されないと口にされたことにナタリアは訳が分からず不安げな声を漏らす。
「愛する者の事を想い気遣うことは決して間違ったことではありません。ですが貴族や王族は時として公私を分けた判断をすることを望まれます・・・例え話として極端な事を言わせていただきますが、メイドがたまたま自分の目の前で皿を割ったのが気に入らなかったから国の全てを挙げてそのメイドを処分する・・・などと王になったアッシュが口にしたなら、貴女はそれをどう思った上で行動しますか?」
「そっ、そんなこと彼がするはずありませんわ!」
「ですから極端な例え話と申し上げただけですが、例え話を例え話として捉えた上で答えていただきたいのです」
「っ・・・・・・そ、それは流石にやり過ぎだと私も彼に言いますわ・・・たまたま割ってしまった皿の一枚や二枚でそれだけのことをしてはならないと・・・」
「それはアッシュの為を思ってですか?それともそのメイドか、キムラスカの名誉の為にですか?」
「えっ・・・メイドの為にと言うのは分かるのですが、何故そこでキムラスカの名誉などとの言葉が・・・?」
「そのような事態を引き起こしてしまえば、言ってしまえばしょうもないことに大がかりで馬鹿な事をキムラスカが起こしてしまったと醜聞が民にマルクトにダアトと広がることになるのです。それもメイド一人の失態にそこまでするような苛烈でいて容赦も情けもないし、それでいてそんなことを判断する王に認めてしまう女王以下の臣下がいるような国だと」
「っ!?」
・・・壮大でいて王が下すには極めて愚かしいとしか言いようがないといったくのいちの例えに、ナタリアは盛大に息を呑んで顔をひきつらせた。王族としてのプライドが強いナタリアであり、同時に例えとは言えアッシュがそのような事を起こしたならどうなるかと考えた時に恐ろしさを感じる形でだ。
「・・・今のはあくまでも極端な例えとして一例に出しただけですが、ルークの事を始めとして些末なことに彼が怒りから何らかの行動を取ることは我々は十分に有り得ると見ています・・・だから覚悟をして割り切るようにしてほしいのです、貴女に。彼を、アッシュの事を・・・キムラスカの全てを任せられるような人物だと思わないように」
「なっ!?」
その姿にどう割り切るべきかにそうしてほしいのか・・・そう語るくのいちだが、その中身にナタリアは絶句するしかなかった。要約すればアッシュに信用を置くなと言っているも同然の中身だった為に。
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「わ、私の立場として許されない・・・?」
「ではお聞きしますが、ナタリア様はキムラスカの王女殿下であり将来的には女王として、王の伴侶として隣に座られる身になられる訳ですよね?」
「そ、そうですが・・・一体何を・・・?」
「その時の貴女はアッシュにだけこだわることを許されない立場にあるということを理解していただかなくてはならないのですよ?」
「え・・・?」
ただまだ話を続けていく中でくのいちは次第に笑顔を消していき無表情になっていくのだが、アッシュへのこだわりは許されないと口にされたことにナタリアは訳が分からず不安げな声を漏らす。
「愛する者の事を想い気遣うことは決して間違ったことではありません。ですが貴族や王族は時として公私を分けた判断をすることを望まれます・・・例え話として極端な事を言わせていただきますが、メイドがたまたま自分の目の前で皿を割ったのが気に入らなかったから国の全てを挙げてそのメイドを処分する・・・などと王になったアッシュが口にしたなら、貴女はそれをどう思った上で行動しますか?」
「そっ、そんなこと彼がするはずありませんわ!」
「ですから極端な例え話と申し上げただけですが、例え話を例え話として捉えた上で答えていただきたいのです」
「っ・・・・・・そ、それは流石にやり過ぎだと私も彼に言いますわ・・・たまたま割ってしまった皿の一枚や二枚でそれだけのことをしてはならないと・・・」
「それはアッシュの為を思ってですか?それともそのメイドか、キムラスカの名誉の為にですか?」
「えっ・・・メイドの為にと言うのは分かるのですが、何故そこでキムラスカの名誉などとの言葉が・・・?」
「そのような事態を引き起こしてしまえば、言ってしまえばしょうもないことに大がかりで馬鹿な事をキムラスカが起こしてしまったと醜聞が民にマルクトにダアトと広がることになるのです。それもメイド一人の失態にそこまでするような苛烈でいて容赦も情けもないし、それでいてそんなことを判断する王に認めてしまう女王以下の臣下がいるような国だと」
「っ!?」
・・・壮大でいて王が下すには極めて愚かしいとしか言いようがないといったくのいちの例えに、ナタリアは盛大に息を呑んで顔をひきつらせた。王族としてのプライドが強いナタリアであり、同時に例えとは言えアッシュがそのような事を起こしたならどうなるかと考えた時に恐ろしさを感じる形でだ。
「・・・今のはあくまでも極端な例えとして一例に出しただけですが、ルークの事を始めとして些末なことに彼が怒りから何らかの行動を取ることは我々は十分に有り得ると見ています・・・だから覚悟をして割り切るようにしてほしいのです、貴女に。彼を、アッシュの事を・・・キムラスカの全てを任せられるような人物だと思わないように」
「なっ!?」
その姿にどう割り切るべきかにそうしてほしいのか・・・そう語るくのいちだが、その中身にナタリアは絶句するしかなかった。要約すればアッシュに信用を置くなと言っているも同然の中身だった為に。
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