軍師と女忍、動き回る
「ん~、ちょっと交代してもらっていい?」
「あぁ、別にいいけど何か言いたいことあんのか?」
「うん、これからの事でちょっとね~」
そんな時に脇で見ていたくのいちが自分も言いたい事があると切り出したことに、ルークがいいと言うと微笑を浮かべてナタリアに顔を向ける。
「ナタリア様・・・便宜上ここではアッシュと今バチカルにいる彼の事を呼ばせていただきますが、アッシュにだけこだわらなければならない理由は無いのですよ?」
「えっ・・・!?」
そのまま丁寧な口調に変えられながらも続けられたくのいちの言葉に、ナタリアは驚愕と困惑が入り乱れたような声と顔を向ける。何故こだわると言うような言葉が出るのかといったような様子で。
「ナタリア様も王族として育てられたからには聞いたことはあるのではないのですか?王族に貴族として産まれた人達が親や政治の為にと望まれぬ相手との婚約に婚姻を結ぶということは然程珍しい事ではないことは」
「そ、それは・・・確かに聞いたことはありますが・・・一体何を言いたいのですか、貴女は・・・?」
「そんな王族同士である貴殿方が想いあって結婚すること自体は珍しいことではありながらも、普通に考えるなら何の問題もなく祝福出来る事ではあるでしょう。ですがアッシュがそうであることを気持ちよくないと思われるのは理解は出来ますが、人に問題はあるものと思って割り切りこだわるのを止めるようにするべきだと勧めているのです」
「っ・・・そうする事がいいから、ですか・・・」
くのいちはそこから王族や貴族同士の結婚についてを口にした上で割り切るべきだと言ったくのいちに、ナタリアも複雑そうながらも理解をした。そうする方がいいとくのいちが言っていると。
「そういうことになりますが、彼にこうなってほしいとの願望は持たれてもそれを当人に口にすることが出来ないナタリア様では、それこそルークが言ったような望むことではないことが起きた場合に以降も貴女は何も出来ない事が有り得ます。ルーク以外の事で彼が何かをした場合でも」
「そ、それは・・・彼は、そんなことは・・・」
「ルーク以外なら人格者だとでも思われているのですか、アッシュのことを?・・・気に入らないことがあればルークとまでは行かずとも、貴女が見たような激しさをその気に入らないことに向けるということは十分に有り得るとは思わないのですか?ましてやその激しさが実際に向けられたなら、貴女はそれを止めることが出来ると言うのですか?」
「そっ、そんなこと!?・・・そんな、こと・・・」
そう理解したならばこそアッシュのこれからがいかに危うくなるかに、そうなった場合のストッパーになれるか・・・それらを口にして問い掛けていくくのいちに、ナタリアは冷や汗を浮かばせながら視線をさ迷わせて口ごもるしかなかった。
「・・・そんな風に何も言えなくなるということは、もう理解したくないけれど理解してしまっているのでしょう。アッシュに関してのこれからが不安であるということは」
「っ・・・!」
くのいちはその姿に笑顔を崩すことなくその内心を理解しているというように言葉を向けると、ナタリアはまた視線を背けつつ否定を返せなかった。アッシュを擁護したいが出来ないという悲痛と苦渋を滲ませた表情を浮かべながら。
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「あぁ、別にいいけど何か言いたいことあんのか?」
「うん、これからの事でちょっとね~」
そんな時に脇で見ていたくのいちが自分も言いたい事があると切り出したことに、ルークがいいと言うと微笑を浮かべてナタリアに顔を向ける。
「ナタリア様・・・便宜上ここではアッシュと今バチカルにいる彼の事を呼ばせていただきますが、アッシュにだけこだわらなければならない理由は無いのですよ?」
「えっ・・・!?」
そのまま丁寧な口調に変えられながらも続けられたくのいちの言葉に、ナタリアは驚愕と困惑が入り乱れたような声と顔を向ける。何故こだわると言うような言葉が出るのかといったような様子で。
「ナタリア様も王族として育てられたからには聞いたことはあるのではないのですか?王族に貴族として産まれた人達が親や政治の為にと望まれぬ相手との婚約に婚姻を結ぶということは然程珍しい事ではないことは」
「そ、それは・・・確かに聞いたことはありますが・・・一体何を言いたいのですか、貴女は・・・?」
「そんな王族同士である貴殿方が想いあって結婚すること自体は珍しいことではありながらも、普通に考えるなら何の問題もなく祝福出来る事ではあるでしょう。ですがアッシュがそうであることを気持ちよくないと思われるのは理解は出来ますが、人に問題はあるものと思って割り切りこだわるのを止めるようにするべきだと勧めているのです」
「っ・・・そうする事がいいから、ですか・・・」
くのいちはそこから王族や貴族同士の結婚についてを口にした上で割り切るべきだと言ったくのいちに、ナタリアも複雑そうながらも理解をした。そうする方がいいとくのいちが言っていると。
「そういうことになりますが、彼にこうなってほしいとの願望は持たれてもそれを当人に口にすることが出来ないナタリア様では、それこそルークが言ったような望むことではないことが起きた場合に以降も貴女は何も出来ない事が有り得ます。ルーク以外の事で彼が何かをした場合でも」
「そ、それは・・・彼は、そんなことは・・・」
「ルーク以外なら人格者だとでも思われているのですか、アッシュのことを?・・・気に入らないことがあればルークとまでは行かずとも、貴女が見たような激しさをその気に入らないことに向けるということは十分に有り得るとは思わないのですか?ましてやその激しさが実際に向けられたなら、貴女はそれを止めることが出来ると言うのですか?」
「そっ、そんなこと!?・・・そんな、こと・・・」
そう理解したならばこそアッシュのこれからがいかに危うくなるかに、そうなった場合のストッパーになれるか・・・それらを口にして問い掛けていくくのいちに、ナタリアは冷や汗を浮かばせながら視線をさ迷わせて口ごもるしかなかった。
「・・・そんな風に何も言えなくなるということは、もう理解したくないけれど理解してしまっているのでしょう。アッシュに関してのこれからが不安であるということは」
「っ・・・!」
くのいちはその姿に笑顔を崩すことなくその内心を理解しているというように言葉を向けると、ナタリアはまた視線を背けつつ否定を返せなかった。アッシュを擁護したいが出来ないという悲痛と苦渋を滲ませた表情を浮かべながら。
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