軍師と女忍、動き回る

「・・・話をって言うならここでじゃなく、領事館か別の場所でやるぞ。ここじゃ人目が集まるし、叔父上達に立ちっぱなしでってのも悪いだろ」
「えっ・・・あ、あぁ・・・そうですわね・・・」
しかしルークはそんな姿とは対照的に冷静に周りの状況でを告げながら場所を変えるように言い、ナタリアは戸惑いつつ頷く。
「ちなみにお聞きしますが、ナタリア様は今からされる話は陛下達にも聞いていただきたいと思われている物ですか?」
「・・・それは・・・あくまで私個人がルークと話したいだけですが・・・」
「それでしたら領事館で話されるよりはキムラスカ側の宿の部屋を取り、内密に話される方がよろしいでしょう。そのように気持ちを抑えきれずに話をしたいというのであれば、あまり余人を交えることのない状況にした方がよろしいでしょうから。ただその場には最低限の護衛として私の妻を置かせていただきますが、陛下もそれでよろしいですか?」
「・・・うむ、それで構わん」
「・・・はい」
そんな場に孔明が気持ちを確かめた上で宿で話をするべきと言ったことに、インゴベルトもナタリアも重く頷く。



・・・それでくのいちとルークがナタリアと共に宿の方に向かったのを孔明達は見届ける。
「・・・丞相。ナタリアは吹っ切れると思うか?」
「妻も手助けはするでしょうが、あくまで彼の答えに納得出来るかどうかはナタリア様次第でしょうが・・・その点では彼は既に吹っ切れていると言えますが、ナタリア様が何を話されたいのかの予想も合わせて考えるとあまり簡単ではないとは思います。大方、あの二人の事についてでしょうから」
「やはりそうか・・・」
それでインゴベルトは孔明にナタリアはどうなるかを聞くが、孔明がまず無理だとキッパリ言い切ると疲れたように目を閉じる・・・インゴベルトも何を話したいのかの中身が孔明は二人と濁したが、ルークのアッシュの事だとすぐに感じた為に。









・・・それで宿に入って部屋を取った三人は、対峙するルークとナタリアの斜め向かいにくのいちが立つ三角形の形になる。
「・・・それで、話したい事ってのは・・・って言いたいが、多分アッシュのことだろ?」
「っ!?」
「・・・当たりか」
早速ルークは用向きはアッシュの事かと予測すると、ナタリアはハッとした表情になりそれが正しいとタメ息を吐きたそうな表情を浮かべる。
「・・・お前が言いたいことは何となく分かる。アッシュと仲良く出来ねぇのかとかそんな感じだろ?」
「・・・はい、そうです・・・あれから色々と考えたのですが、どうにかならないかと思って・・・」
「無理だ、諦めろ。そもそも仲良くやれてたらこんな風になってねーし、あいつが俺と一緒にいるなんて嘘でも言うわけねーよ。ましてや俺からそうしたいなんて言ったってテメェみたいな屑となんざ願い下げだって風に言われるのがオチだ」
「そんな・・・」
そのまま呆れたようにアッシュとの関係をどうにかしたいのだろうが無理だとハッキリ自分の立場から口にしていくルークに、ナタリアは悲痛そうな表情を見せるが端で見ているくのいちも何とも言い難いと言った表情を浮かべる。どうにかしたいと思ってはいても、決して自分でどうにかしようとは動いてはおらずに嘆くだけのその様子に。









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