軍師、暗躍と飛躍
「それで話の続きですが、そんなルークを謡将が落ち着けてしばらくして話が始まったんですけど・・・典型的な洗脳でした」
「洗脳、ですか?」
「はい。まぁ大雑把にまとめて言うとキムラスカはルークの気持ちなんか無視してルークを使い倒すつもりでいるが、私なら安心だっていう感じの話です」
「本当に随分と大雑把な説明に思えますが、裏を返せばそれだけ核心を捉えているとも取れます・・・それで、ルークの様子はどうでしたか?」
「もう後一押しされれば折れると思います。船がそろそろ着くからと謡将は引きましたが、あの様子では次に二人きりで会う時にはルークは謡将になびくと思います・・・そして、ルークに謡将の言うことに従わないようにと誘導だったり忠告をしてもまず聞いてくれるととても思えません」
「そうでしょうね。私や貴女は彼に会ってほんの数日程度・・・そんな人間の言葉が何年来の関係の敬愛する師を貶めるような物であったら、余程の道理が伴っていなければまず頭に来るのは当然でしょう。ましてや彼の身の上を考えればね」
「やっぱりそうなりますよね~・・・」
更に話を続けるくのいちは自身の説明を受け納得する孔明に、真面目な報告態度から脱力気味な声を漏らす。
「どうします~、旦那様~?あまり今の状況って望ましくない物ですよね?」
「・・・現状では様子見以外にありませんが、これからのことを考えれば遠からず事が起きるのは明白・・・ですのでくのいち、貴女は事が起きるであろう時に備えて極力ルークの方についていてください。無論、彼や周りにも不自然でない程度にです」
「ちなみに、もしもの時は謡将に手を出しても?」
「えぇ、構いません。むしろそうしてください・・・彼が行動を起こすとなれば隠していた牙を剥き出しにしてもいいと思える時ですが、それを許していいはずがありません。ただし無理はしないでください・・・彼の武力が貴女の知る者達と比べても侮れないのは貴女も分かっているでしょう。貴女の実力は私も分かっていますが、貴方が返り討ちに合っては元も子もありませんからね」
「・・・優しいっすね、旦那様。幸村様も優しかったですけど、旦那様も負けないくらい優しいっす」
「苦労をかけている妻を心配し、労うのは当然の事ですよ」
そこからくのいちは対応の仕方についてを聞くのだが孔明の気遣いの見える言葉と微笑に、そっと頬を染めて恥じらったように声を上げる。その上で孔明が微笑を浮かべる。
「ただ、その時に私が貴女達の元にいれるような状況ではないと言うことは認識しておいてくださいね。私も私でまた、やるべき事がありますからね」
「分かってますって♪旦那様の期待に応えられるよう、あっしもやりやすぜ~♪」
その空気のまま困難が待ち構えているとは思えないほど、朗らかな空気で二人は意志を確認しあう。これからの苦難など物ともしないという、乗り越える気持ちを・・・
・・・そんな二人の会話から程無くして船はケセドニアの港に辿り着いた。
「・・・さて、私は少し失礼させてもらう」
「へ?何でですか、師匠?」
港から街中に出た一行。そこでヴァンから出てきた一行を離れるとの唐突な声に、ルークは訳が分からないと眉を寄せる。
「アッシュがカイツールの港を襲った事について、少しダアトに報告を「それは私が行いましたので大丈夫ですよ」・・・丞相・・・」
その訳についてを説明しようとした矢先、孔明からの言葉に難しそうにヴァンは眉を寄せる。
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「洗脳、ですか?」
「はい。まぁ大雑把にまとめて言うとキムラスカはルークの気持ちなんか無視してルークを使い倒すつもりでいるが、私なら安心だっていう感じの話です」
「本当に随分と大雑把な説明に思えますが、裏を返せばそれだけ核心を捉えているとも取れます・・・それで、ルークの様子はどうでしたか?」
「もう後一押しされれば折れると思います。船がそろそろ着くからと謡将は引きましたが、あの様子では次に二人きりで会う時にはルークは謡将になびくと思います・・・そして、ルークに謡将の言うことに従わないようにと誘導だったり忠告をしてもまず聞いてくれるととても思えません」
「そうでしょうね。私や貴女は彼に会ってほんの数日程度・・・そんな人間の言葉が何年来の関係の敬愛する師を貶めるような物であったら、余程の道理が伴っていなければまず頭に来るのは当然でしょう。ましてや彼の身の上を考えればね」
「やっぱりそうなりますよね~・・・」
更に話を続けるくのいちは自身の説明を受け納得する孔明に、真面目な報告態度から脱力気味な声を漏らす。
「どうします~、旦那様~?あまり今の状況って望ましくない物ですよね?」
「・・・現状では様子見以外にありませんが、これからのことを考えれば遠からず事が起きるのは明白・・・ですのでくのいち、貴女は事が起きるであろう時に備えて極力ルークの方についていてください。無論、彼や周りにも不自然でない程度にです」
「ちなみに、もしもの時は謡将に手を出しても?」
「えぇ、構いません。むしろそうしてください・・・彼が行動を起こすとなれば隠していた牙を剥き出しにしてもいいと思える時ですが、それを許していいはずがありません。ただし無理はしないでください・・・彼の武力が貴女の知る者達と比べても侮れないのは貴女も分かっているでしょう。貴女の実力は私も分かっていますが、貴方が返り討ちに合っては元も子もありませんからね」
「・・・優しいっすね、旦那様。幸村様も優しかったですけど、旦那様も負けないくらい優しいっす」
「苦労をかけている妻を心配し、労うのは当然の事ですよ」
そこからくのいちは対応の仕方についてを聞くのだが孔明の気遣いの見える言葉と微笑に、そっと頬を染めて恥じらったように声を上げる。その上で孔明が微笑を浮かべる。
「ただ、その時に私が貴女達の元にいれるような状況ではないと言うことは認識しておいてくださいね。私も私でまた、やるべき事がありますからね」
「分かってますって♪旦那様の期待に応えられるよう、あっしもやりやすぜ~♪」
その空気のまま困難が待ち構えているとは思えないほど、朗らかな空気で二人は意志を確認しあう。これからの苦難など物ともしないという、乗り越える気持ちを・・・
・・・そんな二人の会話から程無くして船はケセドニアの港に辿り着いた。
「・・・さて、私は少し失礼させてもらう」
「へ?何でですか、師匠?」
港から街中に出た一行。そこでヴァンから出てきた一行を離れるとの唐突な声に、ルークは訳が分からないと眉を寄せる。
「アッシュがカイツールの港を襲った事について、少しダアトに報告を「それは私が行いましたので大丈夫ですよ」・・・丞相・・・」
その訳についてを説明しようとした矢先、孔明からの言葉に難しそうにヴァンは眉を寄せる。
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