軍師、暗躍と飛躍

「・・・改めてお詫びします、ルーク殿。部下の非礼について・・・」
「あ~・・・まぁ気にしてない訳じゃねぇが、今となっちゃそんなに気分はそんなに悪くはねぇよ。一応バチカルにいきゃあいつも裁かれる事になるんだろうしよ、そこまで気にしなくてもいーって」
「・・・そう言っていただけるのでしたら少しは気が楽になります」
そして心底からの謝罪と頭を下げる孔明に少し気まずいとしながらも、ルークは声をかけて気にしないように言い頭を上げさせる。
「・・・まぁ俺としちゃコーメイにくのいちは別に話し方は気にしなくていいって。人の目とか気になるってんなら、その時は口調を変えていいからよ」
「・・・私は立場上そのようなことは出来ませんし、元々からこの口調です。ですからくのいち、ルーク殿が望まれている事ではありますが失礼でないようにお願いします」
「は~い、わっかりました~♪」
「・・・そうしろって言った俺が言うのもなんだけど、すげぇ変わりようだよな。くのいちのその感じ」
「切り替えが早いのが彼女の特徴だと思ってください、真面目にやる時はそれこそ先程のように口調もすぐにただしますので」
それで改めて口調を変えるように言うとくのいちが笑顔で口調を崩した為、ルークは若干微妙そうな表情になって孔明は一応のフォローを入れる。
「まぁ別にいいけど・・・んじゃ俺もう行くわ。師匠にちょっと呼ばれてるしよ」
「はい、ではまた後程」
ルークはその言葉を受け入れつつ場を離れると言い、孔明の声を受けながら背を向けていく。
「・・・くのいち、彼の様子を伺いに向かってください」
「あいよ、旦那様♪」
それでルークの姿が遠くに行ったのを見て静かに指示を出し、軽い声で返しながら一瞬でくのいちはその場から姿を消す。
「先程彼の部屋に入ったキムラスカの兵士・・・おそらく謡将が彼を呼び出したのでしょうが、あまりいい予感はしませんね」
一人残る形となった孔明は口元に羽扇を持っていき、そっと呟く。いい予兆ではないだろうと予測する形で。












・・・そして数分後、一人待っていた孔明の元にくのいちが音もなく唐突に姿を現した。
「どうでしたか?」
「う~ん、ちょっとどう説明していいか分かんない現象もあったけど話してはみます・・・」
「・・・貴女がそんな言い方をするのは珍しいですね。それだけの事が起こったと言うのは分かりますが・・・とりあえず分からない部分も含めて、説明をお願いします」
「はい」
すぐに結果を問う孔明だがくのいちにしてはハッキリしない様子にまずは説明をと促す。
「まずルークが甲板辺りに来た時なんですが、そこで何かに操られたかのように両腕を上げて第七音素を集中させだしたんです」
「何かに操られたかのように?」
「はい、いきなり自分の本意でないといった声を上げながら苦しみだしたので操られたようにと言ったんです。その後謡将が来てすぐにルークを落ち着かせたから大事には到らなかったんですが、誰のせいというか何があってルークがあんなことになったのかそれが分からなくて・・・」
「成程、それが分からないと言った理由ですか・・・確かに話を聞けば納得出来ますね。とりあえず謡将が何かをしたというわけでも無さそうですからこの事については折を見てディストに接触し、話を聞いてみることにしましょう。私達は専門外ですからね」
「分かりました、そうします」
その時の事を話すくのいちが分からないと言う部分について言うと、孔明も納得した上で後に回すことにすると言う・・・謡将のせいではないと、謡将の可能性についても考えていたことをナチュラルに言う形で。










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