軍師と女忍、見切りをつける

「・・・では他に何かあるか?」
「いえ、大丈夫です」
「では俺は戻ってガイにそちらに明日から付いていくようにとの話をしに行く。その上で明日宮殿から出るとなった時に外で待機するように言っておく。勿論ガルディオス関連の事は言わず、しばらく人手が必要だから付いていけばいいとだけ伝えておくがそれでいいか?」
「はい。向こうも色々聞いてくると思いますので、その都度我々が当たり障りなく答えておきますので問題ありません」
「分かった。ではな」
そうして空気を元に戻して他に何かあるかと聞いた後にガイについてを少し話し合った後、ピオニーは部屋を後にしていく。
「さて、後はゆっくりとしましょう。ガイの性格なら今日に我々の元に直行してくるかもしれませんが、ピオニー陛下が明日と言うなら明日までは来ないでしょうからね」
「あっしがガイの様子を見に行かなくてよろしいんで?」
「必要はないでしょう。彼がピオニー陛下からの報告にいかに息巻いた所で、ダアトに行けばそれも意味がなくなります。精々彼に道中のケセドニアで迎えに行くルークを攻撃されないよう警戒するくらいで構いませんよ」
「は~い」
ピオニーがいなくなり後は休めばいいと言う孔明にくのいちは動かなくていいのかを聞くが、今すぐは必要ないとの返しにすぐ頷く・・・もうガイを警戒する理由も一部を除いてないのだと、くのいちもハッキリ理解している為に。









・・・それで以降は特に変わった事もなく一同は過ごし、翌日にピオニーにより謁見の間に呼び出された。そしてそこで出てきたのは会談については臣下に話をした上で賛成だという答えで、日取りはある程度の余裕を持ってこの日にするという日付を伝えられた。

それを受け止めた孔明達はダアトに戻ると言い出し、ピオニーもその言葉を了承した上で謁見の間から出ていく一行を見送った。



「・・・あ、丞相・・・」
「久し振りですね、ガイ。元気にしていましたか?」
「ま、まぁそれは・・・」
そうして宮殿を出た後の広場に待っていたガイに孔明は近付き軽く声をかけると、何か釈然としないといったような様子で返す。
「どうしたのですか?何か気になることでも?」
「あ、いや・・・ルークはどこにいるのかと思って・・・」
「・・・彼なら現在ケセドニアにいますが、道中で彼を迎えに行きます。ですので気にしなくても構いませんよ」
「そうか・・・」
孔明はどうしたのかと聞くとルークの存在についてを聞いてきたため、道中の予定についても併せて告げると何か複雑そうな様子でガイは頷く・・・その様子は明らかにルークに対して余程の気持ちを抱いていると見る者が見れば分かる光景だが、ガイはそんなことに気付けていない様子だった。









・・・そうして何とも言いがたそうなガイを引き連れグランコクマを出た孔明達だが、アルビオールを見た瞬間に今までの陰鬱な空気は何だったのかとばかりに目を輝かせていた。趣味として譜業弄りがあるとは世間話がてらに聞いていた孔明達だったが、その一端を見てこういうものかと理解した。

そんなガイに早く乗ってくれと言った上でケセドニアにアルビオールを飛翔させて飛んでいくのだが、ガイはアルビオールの事を知りたくて構わないと操縦者のギンジにケセドニアに着くまで質問攻めにされていた・・・そしてそんな光景に孔明達が同情的な視線をギンジに向けていたなど、当事者のガイは全く気付く素振りすらなかった。









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