軍師と女忍、見切りをつける

・・・アッシュとナタリアに対して様々な行動をバチカルで起こしてきた孔明達。その翌日に謁見の間に集められた孔明達は話せる範囲の所までの話をインゴベルト達から話された上で、見送りを受けてバチカルを後にした。物言いたげな視線を向けていたナタリアの事など気に止める事なく・・・


















・・・それで行きのアルビオールの中ではギンジの事を考え当たり障りのない話をしながら一同は過ごしていたが、それもグランコクマに着いた事で気を引き締め直しながらアルビオールを降りて宮殿に向かった。



「・・・ローレライ、か・・・会談についてはまぁ予想は出来てはいたが、まさかそんなことになっていたとはな・・・」
「陛下のおっしゃられたいことは我々も重々承知していますが、一先ずはどのようになさるか答えてはいただけないでしょうか?」
「問題ない。会談を行いたいというのであれば、今日一日こちらに留まってくれるのであれば臣下への話をして了承をさせる。本当なら俺の一存で話を進めたいところだが、流石に事が大きすぎて俺の勝手で全て決めてはならんだろうからな」
「いえ、そう言っていただけるだけで構いません。今日はこのグランコクマに待機致しましょう」
「済まないな」
・・・それで謁見の間で一通りの説明を終えてローレライについては意外そうにはしたものの、ピオニーはすんなりと話を進めて孔明は今日ここに留まることについてを了承する。









・・・それで話を終えた孔明達はピオニーより客室を用意すると言われ、ジェイドとフリングスの二人と別れてそちらで待機することになった。そしてしばらく待つと・・・



「・・・失礼するぞ」
「これはピオニー陛下・・・」
「あぁ、気にするな。表だってそちらを呼び出すようなことをしないためにこちらに来ただけだ」
「と言うと、あまり人に聞かれてはならないことを話に来られたということですか」
「あぁ。と言うよりガイの事だ・・・ジェイド達からそろそろ連れていく頃合いだと聞いたんでな」
「成程・・・」
・・・一同が集まる部屋に現れたピオニーは気にしないように言いつつ用向きはガイの事だと告げ、孔明も納得する。確かにあまり表向きに出来ることではないと。
「ちなみにガイは何かをピオニー陛下におっしゃるようなことであったり、変わった様子はありましたか?」
「いや、話を聞く限りでは一切そのようなことはなかったそうだ。まぁ一見話を聞く限りでは何の問題も起こさないといった様子ではいるとは思うが、これからの情勢に心変わりを起こしてファブレに向かわないと言った保証は出来ないだろう。だから黒だと判断したなら前に決めていたよう、遠慮なくそちらで処分してくれて構わん」
「こちらとしては構いませんが・・・陛下はガルディオスである彼を殺したくないといったお気持ちであったり、庇いだてとまではいかずとも何もしないなら見逃してもいいのではないかといったお気持ちは無いのですか?」
「・・・その事に関してだが、そちらがこの前に来てから一度ガイの腹の内を探るためにと話をしてみた。その上でこれでいいと思ったんだ・・・」
その上でガイに変わりはないかと聞いた上でピオニー自身の気持ちについてを聞く孔明に、話をした上での判断だと言う。少し疲れたよう、それでいて諦めたように。









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