軍師と女忍、押さえ付ける

「・・・取り敢えずナタリアの事は心配はいらぬが、そちらの仕上げの用意は大丈夫か?」
「問題ありません。順調に進んでいます」
「そうか、なら安心だな」
それでナタリアの話を終わらせ仕上げと口にするインゴベルトに、自信を覗かせ即答する孔明に満足そうに頷く。
「後はマルクトが丞相の策に関して黙ってもらえるかどうかだが・・・」
「その事に関しては問題はありません。ピオニー陛下にはお伝えしますが、丞相の策が漏れるような事があれば少なからずマルクトにもその影響が来ることは避けられないと進言すれば頷いていただけるでしょう。もし頷いていただけないとなれば、会談を行うケセドニアにて報告をさせていただきます」
「ふむ・・・まぁ今の状態ならそれくらいが妥当な所だろうからそれでよいだろう」
その上で次にマルクトの対応についてを伺う視線と言葉をインゴベルトが向けると、ジェイドが努力はすると返したことに小さく頷く。
「となれば後はそなたらは明日にこのバチカルを出てグランコクマに向かうのであろうが・・・会談の日取りに関してはピオニー陛下に任せると伝えてくれて構わぬ。こちらはケセドニアまで直通の船があるが、向こうはケテルブルクを経由せねばならぬのもあり距離がある分時間がかかるであろうからな」
「それでよろしいのであればお伝えしますが、アルビオールでケセドニアに向かわれないのですか?」
「いや、アルビオールは事が全て済むまではそちらで使用してもらって構わん。色々と急がねばならぬ事も多いであろうから、我々が無理に使う必要はない。故に我らは船でケセドニアへ向かおう」
「そう言っていただけるのでしたら、グランコクマに向かった後にただちにまたバチカルに戻らせていただきます。その上でケセドニアにダアトと報告に向かわせていただきます・・・特にダアトは導師がこちらにいるとは言え、そろそろ事情を詠師の皆様を始めとした方々に色々と話に行かねばならない段階に来ていますので」
「うむ・・・その事を踏まえて予定を組んでくれて構わん。万全の態勢で事に挑んでくれ」
それで次の話題だと会談の日取りをピオニーに任せるとインゴベルトは言うが、孔明がダアトの下の方にも話をしなければならないと言うとそれも込みで構わないとすぐに返す。
「後はアッシュとナタリアを会談の事を話す場に連れていくかどうかだが、そちらの考えでは二人は連れていかなくても良いのか?」
「はい。ここまで来ればもうアッシュには色々と慣れていただくためにもこのバチカルに残っていただいた方がよろしいでしょうし、ナタリア様も今我々に付いてこられても正直な事を言わせていただくならあまり意味はないでしょう。ナタリア様でなければならないことも今はありませんので」
「ふむ、ならばケセドニアには前に話したようナタリアだけを連れていけばよいか」
「はい、そうしていただければありがたいです」
その上でアッシュとナタリアを連れていくのかを問うインゴベルトに孔明は非と返し、その答えにナタリアだけを連れていくと返し孔明は礼にと頭を下げる。前から決まっていたことを進めると言うように。









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