軍師と女忍、押さえ付ける
・・・それでナタリアが呼び出されるまでの間少し待つことになるのだが、アッシュは何とも言えなさそうにモジモジとしていた。ナタリアに会いたいが会いたくない、会いたくないが会いたいと言った相反する気持ちと戦っていたのだろう。そして少しして、ナタリアが謁見の間へと姿を現した。
「・・・お待たせしました、お父様」
「うむ」
「ナタリア・・・」
「ルーク・・・」
入ってきたナタリアはインゴベルトの隣に来て頭を下げた後、アッシュと顔を見合せて共に複雑そうな表情を見せる。
「済まぬが、積もる話は後にしてくれ。一応はルークとして戻ってくれることには同意してくれたが、まだ他にも話をせねばならぬ事があるのでな」
「はい、お父様・・・」
「叔父上、まだ話さねばならぬこととは・・・?」
「・・・そなたからしてキムラスカに戻る条件である、この場にいないルークの処刑に際してだ」
「っ・・・!?」
インゴベルトは二人の空気になりかけた所に制止をかけアッシュは何があるのかと聞くと、ルークの処刑と切り出したことに驚愕の様子を浮かべた。
「・・・何故それをここで、それもナタリアのいる場所で・・・と言った気持ちか、ルーク?」
「えっ・・・し、正直な気持ちを言うなら、その通りです・・・この事にナタリアは関係無い筈ではと・・・」
「関係無い事はない。そもそも先程言ったであろう、そなたが戻らないならあのルークを戻すつもりでいたと。その事はナタリアにも了承してもらっていた・・・もしそなたが戻らないと言ったなら、あのルークが相手だと理解してもらうことで嫌でも気持ちを切り替えてもらうためにとな」
「っ・・・そうなのか、ナタリア・・・?」
「はい・・・最近まで私は自分の部屋にいたのですが、ケセドニアから戻ってきて以降何が起きたかをお父様達から話されました・・・それで貴方とこの場にいないルークの関係もですが、いない方のルークと戻ることを拒否しているとも・・・」
「な、何故そんなことを・・・」
「ならばナタリアから言われたなら意見を翻してもいいなどというような気持ちや考えがそなたにあったか?」
「そ、それは・・・」
その驚愕と疑問の理由についてをインゴベルトが察した上でナタリアも含めて話を進めていくのだが、明らかにアッシュは話の中身に押されてしまっていた。ルークを殺したくないだとか受け入れる気があるなど、取り繕うための嘘ですら言いたくないというアッシュのある意味では強くブレない気持ちもあった為に。
「・・・そなたがそういったようにあのルークに対し、決して認められぬ気持ちを抱いていることは丞相達の話により重々承知はしていた。そして先程言ったようなナタリアに関しての不安についても考えていた我々は、それらをどうにか一挙に解決したいと考えていたのだが・・・そこで出てきたのがもしそなたがキムラスカに戻る際、あのルークの処刑の際にナタリアにも出席してもらうべきだと考えたのだ」
「なっ・・・!?」
「何故そんな事をと言いたいのだろうが、理由はいくつかある。まず一つ目だが・・・丞相の事を信じられぬであろうそなたが、あのルークの事を処刑したといった言葉を信じないと言い出すのを避ける為だ」
「っ、そ、そんな事を俺が言うと思っているのですか・・・!?」
「そなたの丞相達への悪感情を考えれば当然だ、と言いたいがそれだけではない。もう一つ理由を言わせてもらうなら、こちらとしても確実にあのルークを処刑したとの報告が欲しいからだ」
「え・・・?」
そんな様子だからこそ解決策としてナタリアに処刑の場に立ち会ってもらうと切り出したこ インゴベルトにアッシュは反論したそうに言葉を返していくが、そこでもう一つと出てきた孔明達への不信を匂わせる理由に戸惑いの声を上げた。何故そこで孔明達を疑うのかというように。
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「・・・お待たせしました、お父様」
「うむ」
「ナタリア・・・」
「ルーク・・・」
入ってきたナタリアはインゴベルトの隣に来て頭を下げた後、アッシュと顔を見合せて共に複雑そうな表情を見せる。
「済まぬが、積もる話は後にしてくれ。一応はルークとして戻ってくれることには同意してくれたが、まだ他にも話をせねばならぬ事があるのでな」
「はい、お父様・・・」
「叔父上、まだ話さねばならぬこととは・・・?」
「・・・そなたからしてキムラスカに戻る条件である、この場にいないルークの処刑に際してだ」
「っ・・・!?」
インゴベルトは二人の空気になりかけた所に制止をかけアッシュは何があるのかと聞くと、ルークの処刑と切り出したことに驚愕の様子を浮かべた。
「・・・何故それをここで、それもナタリアのいる場所で・・・と言った気持ちか、ルーク?」
「えっ・・・し、正直な気持ちを言うなら、その通りです・・・この事にナタリアは関係無い筈ではと・・・」
「関係無い事はない。そもそも先程言ったであろう、そなたが戻らないならあのルークを戻すつもりでいたと。その事はナタリアにも了承してもらっていた・・・もしそなたが戻らないと言ったなら、あのルークが相手だと理解してもらうことで嫌でも気持ちを切り替えてもらうためにとな」
「っ・・・そうなのか、ナタリア・・・?」
「はい・・・最近まで私は自分の部屋にいたのですが、ケセドニアから戻ってきて以降何が起きたかをお父様達から話されました・・・それで貴方とこの場にいないルークの関係もですが、いない方のルークと戻ることを拒否しているとも・・・」
「な、何故そんなことを・・・」
「ならばナタリアから言われたなら意見を翻してもいいなどというような気持ちや考えがそなたにあったか?」
「そ、それは・・・」
その驚愕と疑問の理由についてをインゴベルトが察した上でナタリアも含めて話を進めていくのだが、明らかにアッシュは話の中身に押されてしまっていた。ルークを殺したくないだとか受け入れる気があるなど、取り繕うための嘘ですら言いたくないというアッシュのある意味では強くブレない気持ちもあった為に。
「・・・そなたがそういったようにあのルークに対し、決して認められぬ気持ちを抱いていることは丞相達の話により重々承知はしていた。そして先程言ったようなナタリアに関しての不安についても考えていた我々は、それらをどうにか一挙に解決したいと考えていたのだが・・・そこで出てきたのがもしそなたがキムラスカに戻る際、あのルークの処刑の際にナタリアにも出席してもらうべきだと考えたのだ」
「なっ・・・!?」
「何故そんな事をと言いたいのだろうが、理由はいくつかある。まず一つ目だが・・・丞相の事を信じられぬであろうそなたが、あのルークの事を処刑したといった言葉を信じないと言い出すのを避ける為だ」
「っ、そ、そんな事を俺が言うと思っているのですか・・・!?」
「そなたの丞相達への悪感情を考えれば当然だ、と言いたいがそれだけではない。もう一つ理由を言わせてもらうなら、こちらとしても確実にあのルークを処刑したとの報告が欲しいからだ」
「え・・・?」
そんな様子だからこそ解決策としてナタリアに処刑の場に立ち会ってもらうと切り出したこ インゴベルトにアッシュは反論したそうに言葉を返していくが、そこでもう一つと出てきた孔明達への不信を匂わせる理由に戸惑いの声を上げた。何故そこで孔明達を疑うのかというように。
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