軍師と女忍、押さえ付ける

・・・ローレライの鍵について本物であるという信憑性が高いとディストからのお墨付きが出された翌日・・・孔明達はアルビオールの前へと集まった。

その際に剣を腰元に携えシンプルな黒ズボンに黒シャツを着た不本意そうな表情のアッシュがいたが、特に誰も何もその姿について言うことはなく一同はアルビオールの中へと乗り込んだ。次の目的地であるケセドニアへ向かう為に。









「・・・成程、そのような事態に・・・」
「ローレライについてはまだどうするかと決まった訳ではありませんが、彼の存在についても此度の会談でどうするかについてを話し合う予定でいます。勿論後の争乱の元にならないようにというようにですが」
「確かに、ローレライのネームバリューを考えれば有り得なくはないでしょうな・・・出来ることなら何かローレライに協力をしていただき、もうけ話にしたいところだったのですが・・・」
「それは今度の会談で集まる人々に対してで我慢してください。ローレライについてどうなるかはまだ決まっていませんし、下手にローレライの身柄が心無い輩に奪われる事になればオールドラント滅亡の危険性も有り得ない訳ではありません」
「分かっています。こちらとしても妙なことをして火種を作りたくはありませんからな」
・・・それでケセドニアに着いてアスターに話をし終えるのだが、商人としての魂を遺憾無く発揮させようとしていたアスターに周りの目は何とも言いがたそうな物になる。
「では一通り話は済みましたが、リグレット達をここに置いていきますので後はよろしくお願いいたします。一通り回り終えましたらまたこちらに戻って参りますので」
「イヒヒ、分かりました。準備は整えておきますので、陛下達をゆっくりと説得されてきてください」
そして話を二人を始めとした人員の事についてを構わず言う孔明に、アスターはすんなりと頷く。



・・・それでアスターの屋敷を孔明達は出て、次の目的地のバチカルに向かった。
「さて、お二方・・・しばらくごゆっくりされてください。私は会談の為に準備をしますので」
「その前に聞きたいんだけど・・・あんたもコーメイっつーか、丞相が俺をどんな狙いでここに置いていったのか知ってるんだよな?」
「イヒヒ、まぁある程度は。ですが私はそれ以上は関与致しませんので、気になさらないでください。あまり深入りし過ぎて知らなくてもいいことを知っても、私にとって良くない事になると思いましたのでね」
「そうしていただけるとこちらとしても有りがたいです」
「・・・ま、深く追求しないならそれでいいか」
アスターは残った二人に休息を勧める中でルークの質問に答えるのだが、関わるつもりはそうないと返す姿にリグレットもルークもならいいかと言うしかなかった。あまり深くアスターに関わってほしい訳でもない上、そのあっさりとした態度が逆に不気味にも感じられる為に。









・・・そうしてルークとリグレットの二人をケセドニアに置いていった後のアルビオールへと場面は移る。



「次はバチカルですが・・・準備はよろしいですね、アッシュ?」
「っ・・・一々言われなくても分かっている・・・」
アルビオールの中で孔明はアッシュが一人で座る席に向かい立った状態で話し掛けるが、案の定アッシュはその助言を聞きたくないと言ったような態度で視線を背ける。









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