軍師と女忍、想定外の事態に合う

「そんなものですからローレライが今まで地上に現れなかったこともそうですし、地核で対峙したローレライが本物である可能性は十分に有り得ると私は見ています。先程ディストが言ったこともあってです」
「ん~、そうなると最後の懸念はやっぱりローレライが単に出てきてそれで音譜帯に昇るだけ・・・って確証が得られないことですか」
「えぇ、そうです。流石にそれを確かめるためだけにもう一度地核に突入などかかる手間に時間を考えるととても無理がありますし、何よりそこでローレライがもう一度確実にルークに取りついてくれるとは限りません。そうなれば時間に資源の無駄になります」
「だから旦那様としては首脳会談の時にローレライの地核からの解放はするような流れにしたいって思ってますね?一々そんなことで足踏みをするよりはもう説得した方が早いって」
「えぇ、その通りです」
それで過去のローレライについての推察から自分達がどうするかとの話についてになり、くのいちがこうしたいのではと覗き込むように視線を向けてきたことに孔明は当たりだと微笑を浮かべる。
「ただその辺りでローレライがさっさと音譜帯がどこかに行ってしまうとそれはそれで面倒になると思うんですが・・・」
「その事に関しては保険という名の細工はさせていただきます。もし言葉に偽りはなくてローレライが機嫌を損ねる可能性も承知の上でそうします」
「ローレライに逃げられるとは言わなくても、そのままいなくなられる可能性を潰すためですね」
「はい。ローレライの本懐が言葉通りだとしても、こちらとしてはまだ彼に聞きたいこともあります。それをハッキリさせなければ音譜帯に彼が行ってしまえば預言をどうにかするための最終的な手段が無駄になりかねないどころか、下手をすればアルビオールを用いて音譜帯に行きローレライを引きずり下ろして預言を再び詠めるようにするべきだ・・・というような発言が出てきかねません」
「そうなったらその声は瞬く間に世界中に広まって、預言を詠むのを止めるという風潮にはとてもならないって訳ですか」
「はい。そしてローレライを引きずり下ろしてどういう答えが返ってきてもそうなるでしょうが、その時にローレライが預言はもう詠む意味がないといった言葉を口にしたならそれこそオールドラントがどのようになるのか想像に難くありません」
「それらを避けるためにもローレライと是非とも話をしたいし、何なら協力してもらいたいって訳ですか」
「そういうことです」
そんな様子にくのいちはどうローレライに対するのかを聞いていき、孔明が返していくその目的に納得する。無事に事を進めるにはローレライの協力が必要なのだと。
「ただこの事に関しては一応は両陛下に伺いを立てた上で準備をします。ですので一先ずはこの事に関しては後回しにして問題はありませんので、別の事を解決するために動きます」
「別の事って言うと・・・」
「アッシュの事もそうですが、ガイの事です・・・時期的に見てもそろそろちょうどいいでしょう」
「あぁ、まぁ確かにそろそろですね」
ただ一先ず後回しと言いつつガイの事が先だと言った孔明に、くのいちも一つ頷いた。ガイの事を片付けるのに頃合いな時間だと。









.
12/17ページ
スキ