軍師と女忍、想定外の事態に合う

「それに一応、ローレライの鍵という物も先程の存在は渡してきました。あの鍵についてをディストに渡して研究してもらえば、本物かどうかとまではいかずとも信憑性についてを調べてくれるでしょう」
「それを明らかにするためにも早くシェリダンに戻るべきでしょうけど、鍵について判明するまで各国への報告は後回しにしますか?」
「私としては戻って翌日すぐにという訳ではなく一日挟み、ディストの研究結果を待ってからでいいと思っています。鍵が本物であるかの可能性を知るだけでも皆様の意見も変わってくるでしょうからね・・・フリングス少将もそれでよろしいですか?」
「はい、それで私は構いません」
「ありがとうございます・・・ではこの話はここまでにしてしばらくシェリダンまで休憩しましょう。妻達にもこの話をしてどうするかを検討するためにも、あまりここで話を進めすぎてもよくありませんからね」
その上で後の対応についてを話していき、フリングスが納得したことでここでの話は終わりと孔明は締めくくる。


















・・・それでアルビオールに乗ってからしばらくし、光明達はシェリダンに戻った後にすぐに説明を始めた。地核で何が起きたのかについてを。



「・・・と言うわけで障気については一段落はしましたが、ローレライと自称する存在の出現によりどういった対応をするかが我々に求められています。私の考えは先に言ったようにローレライと名乗った存在の解放を行う方向で行くべきだと思っていますが・・・皆様はどのように考えますか?」
「「「「・・・」」」」
・・・それでシェリダンの集会所の中で地核にて起こった事を話終え、孔明がどう考えたかを聞くと起きたルークも含め同行してない面々は考え込む様子を見せる。
「・・・ローレライの鍵だというこの物体についてはこの後でちゃんと調査こそはしますが、私としては丞相の言われる通りにローレライと言った存在の解放には賛成させていただきます」
「そう思った根拠は何ですか、ディスト?」
その中から鍵を手に持ちつつも賛同の意思を示すディストに、孔明はその理由を問う。
「単純な話として、丞相が話されたローレライと名乗る存在がルークに取りつけた事がその理由です。その場にはルークだけでなく丞相に他の方々もいたのに何故ルークがその対象になったのか・・・その理由はルークというローレライと音素振動数が同じ完全同位体がいて、彼でなければ取りつけなかったからだと私は見ています」
「ふむ・・・完全同位体だからあぁ出来たということがローレライ当人ではないかという理由に繋がるということですか」
「私はその場面は見てはいませんが、光に包まれながらその光に操られるという所からそんな事が出来る存在は他にはないと思います。それにこの鍵もこうして丞相の手元に渡してきた以上、それだけの覚悟を持ってではないかと思われます。疑われることもそうですが、何よりこの鍵が本物だと言うならそんな重要な物をポッと渡したのですからね」
「我々に鍵を渡す危険性についてよりも、自分を解放してくれる者達への期待や願いがあったからこそローレライは本当に自身の解放を切に願っているだけ・・・そう取れると言うことですか」
「それだけでローレライが大丈夫だと言い切れはしないでしょうが、少なくとも切羽詰まっている可能性は高いと思われます」
ディストはその理由をルークの体もあるがこの鍵を渡してきた事からローレライがそれだけ必死なのだといったような推測をし、孔明も有り得るだろうというように頷く。









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