軍師と女忍、想定外の事態に合う

「その上で昨日はルークがタルタロスに乗るとは言ってはくれましたが、私もタルタロスに乗りたいと思います。と言ってもあくまで個人的な予感から来るものですので、私の事は気にしなくても構いませんが・・・他に誰かタルタロスに乗りたいと言われる方はいますか?と言ってもあまり人数を多くされると共に行く兵士の数の事もありますので、後二人が精々という所でしょうが・・・」
「では私は乗ります。問題は起こらない可能性の方が高いとは言え、丞相の護衛として供をさせていただきます」
「では私も乗りましょう。マルクトの代表として歴史的な瞬間に立ち会い、陛下に報告することも役目になるでしょうから」
「ありがとうございます・・・他にはいらっしゃらないようですね。ではお二人も乗っていただくという事で決まりです」
そうして出発する前に孔明が自分達と共にタルタロスに乗るかを周りに聞くと、シンクとフリングスが立候補してきて他にはそんな気配が見えない様子に決まりだと告げる。これで誰が行くかが。









・・・そうしてメンバーが決まりすぐに準備を始めタルタロスに乗った孔明達は、スピノザからこれで出港して大丈夫だとのお墨付きをもらった後にシェリダンの港を出た。これからの五日間、タルタロスを絶え間無く動かし続け降下を始めるだろうアクゼリュスの跡地を目標に。



「・・・あ、旦那様もう行きました?」
「・・・戻られたのですか、奥方。はい、もう出立されました。立候補を募り、シンクとフリングス少将も伴われる形でです」
「ほうほう、成程・・・だから二人もここにはいないというわけですか」
それで孔明達を見送った後にパッセージリングから戻ってきたくのいち達が来てリグレットに状況を聞いていき、二人は納得といった様子を浮かべる。
「それで、そちらもパッセージリングの操作は終わったのですか?」
「まぁね~。ちゃんとアクゼリュス付近の土地はもう切り離されて、今頃は魔界の方にゆっくりと降下してってる筈だよ~。それで旦那様達のやってることが済めば、魔界の泥化した大地もどうにかなって、アクゼリュスも無事になるって訳です」
「アクゼリュスも大丈夫なのはいいのですが・・・そこから先の事についてはどうするのですか?障気が出なくなることについては確かに喜ばしい事ではあるのでしょうが、そこから先は・・・」
「そこから先は両国の首脳会談で和平を結ぶ前くらいには話をしますよ~。先に話してもいいかな~とは思いますけど、旦那様から話してもらった方がいいと思いますしね。まぁその辺りは早く聞きたいんなら旦那様が戻ってからって事でお願いしやす」
「・・・まぁそういうことなら帰ってきてからお聞かせいただくようにしますよ。先に聞いた所でこの五日間をただその考えに費やすのも馬鹿らしいですからね」
「どうも~、ご理解感謝しま~す♪」
次にジェイドがパッセージリングの操作についてからその後の流れについてを聞いてないから聞きたいといったように追求するが、のらりくらりと後でと返されたことに仕方無いといったように後で聞くと返す。そんな答えに満面の笑顔でくのいちは返した・・・全く悪びれる様子もなく、それでいてそんな笑顔だからこそ許してしまうような笑顔を。









.
6/17ページ
スキ