軍師と女忍、想定外の事態に合う

「あ。ちなみに、他の面々には説明はいつするんで?」
「タルタロスが出港する時に説明します。今から行ってもらって先に降下させることもいいとは思いますが、流石にこの事に関しては事前に話をしておかねばどういうことかと詰め寄られることは避けられないでしょうからね」
「まぁそれは避けた方がいいのは確かですけど、それなら私はタルタロスに乗らなくていいんで?」
「えぇ、急いで帰ってきてそこからタルタロスに乗っていただくような理由もありませんからね。その代わりに私がタルタロスに乗ります」
「えっ、旦那様本気で乗るつもりなんですか?冗談とか建前とかではなく」
そんな話の中身をいつにこの事を話すかということに焦点を合わせるくのいちだが、話が進んでタルタロスに乗ると言い出す孔明に本気かというような目を向ける。
「別に私が乗っても乗らなくとも問題はないかと思いますが・・・少しルークが乗りたいと言い出した事が気になったからです」
「気になった、ですか?」
「ルークからしても漠然とした不安に近いような物を感じたくらいで、何か起きるとも決まったような物では無いでしょう。ただもし何かあるとするなら私が貴女のどちらかはいた方がいいと思ったのです」
「だったら私が行った方が・・・」
「言ったでしょう、あくまで念の為といったようなものだと。それに謡将もモースもいなくなった今、我々を敵視する者もいません。ですからこちらの事は気にせず待機しておいてください」
「・・・はい、分かりました」
その理由はルークの事が気になったからだと言い、くのいちは反対したそうなムードを滲ませていたが孔明のやんわりした言葉に頷くしかなかった。何かあるなら自分が危険に向かうべきという姿勢のくのいちからすれば、あまり望まない展開であるために。


















・・・そんな会話をした後は特に何か変わったことが起きることなく、その日を終えた孔明達。それで翌日になり港へと移動した一同だが、そこでくのいちがアリエッタと共に場を離れた後に孔明がアクゼリュスを切り離す旨とその許可については取ってあることを話し出した。



「・・・というわけですので、外殻大地からアクゼリュスを切り離します」
「・・・確かにこの辺りで外殻大地として空にこの大地が浮かんでいることの説明は必要でしょうし、確固たる証拠もまた必要でしょうね。それにタルタロスで障気を抑えるためには突入点も必要だからこそ、尚更にアクゼリュスを切り離さなければならないということですね。そしてその許可はもうピオニー陛下達から取ってある、と・・・」
「はい。昨日の時点でお話ししなかったことはお詫びしますが、どちらにせよこの事はもう必要になることでありそうしなければならない事でもあります。その事はご容赦お願いします」
「「「「・・・」」」」
・・・それで一通り話が済んでジェイドが納得の声を上げた所で謝罪と共に理解を求めるよう孔明が頭を下げると、表情を複雑そうにしつつも反対の声が出てくることはなかった。色々と考えた上での最善を選ばんとする孔明の考えに。
「・・・反対される方はいらっしゃらないようですね。私としてもありがたいことですが、そうであるならば早速タルタロスの装置を起動させてアクゼリュスの跡地となるべき場所へ向かいましょう。あまり時間をかける意味もありませんからね」
それで頭を上げて反対がないことを言いつつ早速と切り出す。タルタロスに乗り、目的地に向かおうと。









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