軍師と女忍、想定外の事態に合う

「それよりくのいち、貴女にはまた再度パッセージリングへと向かっていただきたいのですが・・・」
「あ、もしかしてアクゼリュスを魔界に下ろすんですか?」
「えぇ、そうです。キムラスカもそうですが、マルクトにダアトにケセドニアと主だった所に報告はさせていただきました。障気をどうにかする為もそうですしアクゼリュスがそろそろ限界だということもそうですが、何よりこの外殻大地が空に浮かんでいるという事実を周知の物としなければなりませんからね」
「ですね~♪」
そこから孔明が話題を変えるようにアクゼリュス降下の事を切り出すと、くのいちは当然分かっているといったように楽し気に返す。



・・・アクゼリュスを降下させる。これは今後の事の為にも必要なことだと孔明は考えた。まず一つ理由を挙げるなら、もうアクゼリュスのパッセージリングの耐久力が自然崩壊していつ落ちてもおかしくない領域にまで来ているからだ。

元々アクゼリュス付近は障気が噴出を始めたことから耐久力の限界に近い状態ではあったが、今も尚形を保とうとしていることからその耐久力が更に危険な領域に来ている。今はまだ持っているが、そろそろ持たずに崩壊してもおかしくない領域に来ている。

そして自然に崩壊すれば他のパッセージリングにも相当なダメージが来るためにそれを避けるためにも、アクゼリュスを一足先に魔界に下ろすのが一つ目になるのだがまだ理由は二つある。

なら次の理由は何かと言えば、そのアクゼリュス降下後の大地の後から障気を押さえつけに向かうためだ。障気を産み出している大本の場所は魔界の方にあり、そこにタルタロスで向かうためにはどうしても入口というか降り口が必要になる。その為にはアクゼリュスが降下した後の土地が効果的という訳である。

そして最後の三つ目の理由であるが、孔明が言ったように世界中の人々に外殻大地の事実の認知してもらうことである。

一応は各首脳陣には外殻大地の事は伝えてはあるしアクゼリュスの件についてはもう了承もさせてはいるが、大衆にはその事は今まで一切告げていなかった。しかしここで孔明はそれらを白日の元に晒すべきだと言ったわけである。これらの事実についてを人々に知ってもらうことが必要なのだと。



「これからやることに関して、人々には我関せずと言った姿勢を取ることは許されません。というよりは人類全てが当事者にならねばならない問題ですからね」
「でもそれをろくに知らないままに上だけで話を進めてしまえば、自分達が当事者であることなんか自覚のないままに過ごしてしまって最悪の場合は上が勝手にやったことに何故付き従わねばならないって声が出てくる・・・そうしないためには、人々に自分達も当事者だって自覚を植え付けるには外殻大地の事を自覚してもらわないとならないと」
「えぇ。そして最終的に目指すべき所は預言通りに行く展開を避け、預言から離れた治世を行い人々が自立した生き方が出来る世界にすることです。その為にはアクゼリュスの降下は是非とも避けることは出来ませんからね」
そしていかにこれからの為にアクゼリュスの降下が必要なのかを、二人は微笑を浮かべながら語り合う・・・この預言という物に浸りきったオールドラントという世界を変える為、新たな未来を作るために必要なことは人々に自分達も危ない立ち位置にいるのだと真剣に理解してもらうことにある。そう思うからこそ人々へ事実を知らせ、考えてもらうためのきっかけを与える事が必要なのだと確信しながら。









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