・・・アルビオールに乗った孔明達が帰ってくるまでしばらく待機していたくのいち達。そんなくのいち達だったが、アルビオールの姿が遠目に見えた為に集会所へと集まった。



「・・・お待たせしました、皆さん。ただいま戻ってきました」
それから少しして、全員が揃う形になった集会所の中で孔明が丁寧に頭を下げる。
「まずは報告ですが、アルビオールに関しては使用の許可が下りました。ですので障気をどうにかする際には使用は出来ますが、そちらはどうですかディスト？」
「こちらはもう完璧です。障気を押し込む為の装置はもう完成し、タルタロスへと取り付けました。ただ装置の都合上、起動させてすぐに出港して目的地まで脇目も振らずに５日程直進せねばなりません。そうでなければ装置は十全に効果を発揮出来ず、障気をどうにかすることは出来なくなるばかりか同じことを二度も繰り返せるような時間に材料など求めることは出来ません」
「つまり、一度で無駄なく決めねばならないということですか・・・」
「そうなります」
それで互いの状況の報告をするのだが、ディストからの報告の中身の方が重く孔明もその中身に真剣な面持ちになる。
「・・・となれば、今日すぐにという風には動かない方が良さそうですね。タルタロスを５日程操作し続けねばならないとなるならそれだけの物資もそうですし、人員についても考えた上で今日は十分に休憩を取った上で明日に出発するようにしましょう」
「少し待ってください・・・丞相が自ら障気の解決に向かわれる予定ですか？」
「必要とあらば私自らが向かうことも辞しません。と言うよりディストからの話の様子では余程変なことをしなければ特に問題もないだろうとのことですから、極端な話としてはアルビオールの操縦士であるギンジ殿以外はタルタロスを動かせさえすれば誰が行っても構わない・・・ですから誰も行かないと言うなら、私自らが乗っても構わないと思っていると言うだけのことです」
「そういうことですか」
それで準備をして明日にするべきといったように言う孔明にジェイドはその言葉の違和感に疑問を向けると、平然と自分が行っても構わないだろうというように返され納得する。
「では今日は一先ず解散としたいと思いますが、一応は聞いておきます・・・兵だけに任せて待機する事も出来るでしょうが、そのタルタロスに乗りたいと言われる方はいますか？希望があるなら聞かせていただきます」
「・・・俺、乗りたい」
「・・・どうしてですか？」
そんな中で解散の前にタルタロスへ乗ることの希望者がいるかを聞く孔明に、静かに手を上げたルークにどうしてかと問う。
「何て言うか、興味があるっていうか・・・とにかくうまく言葉には出来ねぇが、行きたいって気持ちになったんだ。それだけじゃ駄目だってんなら、諦めるけど・・・」
「いえ、構いません。今言ったように余程変なことをしなければ特に問題はないでしょうから、タルタロスに乗っていただいて構いません。ただしアルビオールに乗り込める人員が限られていますから、その枠に入るからには貴方にもタルタロスの操作をしていただきますが・・・よろしいですね？」
「あぁ、それはやるよ」
「では決まりですね」
ルーク自身ハッキリ明確な理由はないといった様子ながらも何かを求めているといった姿に、孔明はならとタルタロスの操作の事を言うとすんなり頷いた事に微笑を浮かべる。その望みを聞き入れると。









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