軍師と女忍、対応する

「・・・どうでしたか、アッシュの様子は?」
「ん~、まぁ好くも悪くも想像の範囲を越えてこなかったってとこかな~。別にあの反応は意外とかそんなのでもなかったし・・・あれなら特に問題はないでしょ。多分どころかまず間違いなくこっちの意向からはみ出すって言うか、意に沿わない事はしないだろうし」
「意に沿わない事をしない、ですか・・・」
それで街の中の片隅に来て人が周りにいないのを確認してからジェイドがアッシュについての判断を問うと、くのいちは逆らわないだろうといったように返したことに何とも言いがたそうな声を漏らす。
「一応気に入らないことを言われ続けたりだったりすると突発的な事を言い出す可能性はあるけど、もうアッシュには私達に逆らうような気持ちはないよ。勿論強気な態度は崩すことはないだろうけれど、それはもう自分は屈してないぞって見せるためのフリでしかないだろうしね~」
「成程。体裁を守るくらいで本当に逆らうつもりはないけれど、あえてそういった態度だけは取るということですか」
「そういうこと。だからその不満げな態度に発言を真に受けるのは余程酷いことを言うくらいしなかったらそうしないでいいってことで、あんまり変なことは言わないでほしいです」
「分かっていますよ。こちらとしても今更にアッシュもそうですが、貴女方の不興を買うのは避けたいですからね」
その発言の意図は何かと正確に述べた上で必要以上の挑発はしないようにくのいちが願うよう言えば、ジェイドもすんなりと頷く。
「まぁ後は旦那様が戻ってきて経過についてを聞くまでは待たないとね~。ディストの様子からして多分もうそんなに私達に用事を頼むようなことなんて無いだろうし、それまではここで待つしかないしね」
「まぁそれは仕方ありませんが・・・一体どういう反応をするのでしょうね、丞相の策を前にして彼は」
「不平不満になんて事をするんだ~みたいな言葉は確実に出ては来るだろうけれど、それでこっちに何かしてくることは無いだろうから大佐は気楽にしてていいですよ~。何か言ってくるにしても旦那様や私達に向けてだけでしょうし」
「えぇ、そうさせていただきます」
そして待てばいいと言うくのいちにジェイドはどういう反応が返ってくるかを聞くと、自分達でやるからいいとの言葉にあっさり頷く。自分は苦労しなくてもいいと言われたことに。









・・・そうしてくのいち達が話をする一方、バチカルでは孔明による策が成就しようとしていた。



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