軍師と女忍、対応する

「・・・おや、奥方。どうしたのですか、街の外から入って来たようですが・・・」
「あぁ、ちょっとリグレットとアリエッタに頼みごとをして見送ってきた後なんだ。ディストからパッセージリングに行ってデータ取りをしてもらいたいって言われたからね~」
「そうなのですか・・・何故私にそれを言わなかったのですか?」
「ぶっちゃけ大佐もそうですけど、アッシュにも話をして全員で行く必要性を感じなかったからっす。一度行った所ってことに加えてちょいと作業して帰ってくるだけなもんで、一々集めて話をしてもそんなもん勝手にしとけって怒ったように言われるのがオチなのは目に見えてたもんで」
「あぁ、確かにそんな風になりそうですね。彼の様子から考えれば」
「なもんで、大佐も含めて一々集めるよりは事後報告すればいいかって思ったんすよ。どうせそんなことかって大したことないって見方になるのは目に見えてますしね~」
「そういうことですか」
・・・そうして街の中に戻ってきたくのいちとたまたま出くわしたジェイドと話になり、どういうことがあったのかを説明すると納得した様子を見せる。
「まぁ私も後で知ってもそういうように言っていたでしょうが・・・アッシュの感心事は何なのでしょうね。ほとんど我々の前に姿を見せず、その上で我々のやることに対して口出しをすることもない。一応は貴殿方に脅されているから嫌々だという名目も無いことはありませんが、ここまで来れば大なり小なり貴殿方に協力なりなんなり姿勢の変更くらいはするべきだと思うんですけれどね」
「その辺りは言っても無駄どころか、却って距離を余計に空けてくるだけなのは目に見えてるからね~。多分っていうかほぼ確実に今思ってることは早くこの時間が過ぎ去れ・・・の一択だけだと思うよ」
「そうでしょうね・・・ただそこに貴殿方から解放された後の自分の姿や周りとの接し方など考えていなさいのもまた目に見えていますが、今思う限りでは拐われたわがままお姫様のようではありませんか。自分の思った立場から離れてしまい、文句であったり不機嫌だといった態度を見せはするものの決定的な反逆はしてこないといった様子が」
「プッ!わがままお姫様って・・・すっごく的確過ぎる・・・!」
その上でアッシュについてを話し合う二人だが、ジェイドから出てきた例えにくのいちはたまらず吹き出してしまった。それが間違いではなく似合っていると感じてしまった為に。
「まぁそれもキムラスカに戻る時までなのでしょうが・・・丞相はバチカルに着いたなら策の実行をするのですか?」
「あ、ナタリア様の事?それなら多分このバチカル行きで実行するのは間違いないと思うよ。もうそろそろ言わないとならない時間になってきたし、準備も済ませるって陛下達も言ったって事らしいですし実行しない理由も無いですしね」
「まぁあの策が実行されたなら多少どころか相当な文句は言いはするでしょうが、結局はそれ止まりでしょうね。いくら何を言った所で彼は自分が大丈夫だなどとの保証など出来るはずもないどころか、そう言えば言うほど自分がどうしようもないという証明になるのですがね」
「まぁその辺りは自業自得ってことで・・・」
ただそこで孔明の策についてを口にするジェイドに大丈夫だろうと言いつつ、アッシュは勝手に自爆するだろうというようにくのいちは言う。別に大して同情などしていないというように。









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