軍師と女忍、対応する

・・・一先ず孔明達を見送ったことにより、くのいち達はシェリダンへと戻ることにした。



「あぁ、戻られましたか皆さん」
「ん、どうしたのディスト?わざわざ入口で待ってるなんて」
そうして戻ってきたシェリダンの入口に待機していたディストの姿に、くのいちは首を傾げる。
「いえ、経過についてを聞きに来たのもそうですが少しまた頼みごとをしたいと思って待っていたのです」
「頼みごと?」
「はい・・・元々の計画では私の譜業椅子を同じように最低限の人数分作るような予定でしたが、それをしなくて良くなるかもしれません」
「えっと、それってどういうこと?」
「分かりやすく言えば、前に創世歴時代の遺産である浮遊機関をシェリダンに研究の為に預けていたのですが、それを用いた何人もの人を乗せることが出来る譜業を開発していてもう少しで完成するとのことです。元々は我々が来なければ今頃は最終確認をして実験飛行していたとのことですが、それを止めて我々の研究に付き合ってもらっています。ただベルケンドの技術者達が来るまで少し時間があることもありますが、その浮遊機関を用いた譜業を使えば譜業椅子を使うより安定した結果を出せそうなんですよ」
「ふむふむ・・・つまりはその譜業を完成させるために私達に協力出来るかか、そちらに時間を割いていいか聞きたいってこと?」
「えぇ、どちらかと言えば後者の意味合いが強いですけれどね」
「ふ~む・・・」
ディストはそこから頼みごとと浮遊機関についての話をし、どうにか出来ないかという声を向けるとくのいちは指を下唇の下に置いて少し考え込む。
「・・・うん、それで大丈夫だよ。安定出来るならその方がいいし、無理を聞いてもらってるし多少は時間も空いてるしね~。ただ万全を期する為にディストも協力してね~。譜業に関しては専門外だから力になれないけれど、ディストならその辺りもある程度はうまくやれるだろうしね」
「えぇ、それは勿論。そしてそう言っていただけるからには今からそちらの方の研究に入りますが、明日になれば試運転が出来ると思いますからその時には立ち会いをお願いします。危険性は出来る限り排除はしますが、何かトラブルがあった場合すぐに対処していただきたいので」
「了~解~」
それで結論としては問題ないと返すとディストは以降の対応を口にして行き、くのいちは笑顔で頷く。



・・・それで早速話を研究者達にしに行くと、ディストは場を後にしていった。
「・・・他にやることやってたのか、ここの奴ら・・・」
「そりゃあね。ここの人にはここの人達の仕事があるけど、それをこっちの都合に合わせてもらってる活動してもらうことにしたんだし」
「それを邪魔したって思うと何か妙な気持ちになんな・・・」
「そこは必要なことだって割り切らないといけないし、向こうも分かってるって。一応今の研究が完成しないと世界的に見ても危険以外何物でもないから、優先順位くらいはね?」
「まぁそう思うしかねぇよな・・・」
それでルークが少し複雑そうな様子で仕事を奪ったんじゃないかということを口にし、くのいちが優先順位があると考えるべきとの言葉に納得するしかなかった。やりたいことをやるより、優先すべきことがあるのだと。









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