女忍、感じ入る
(あ~あ、達者だったのは口だけだったか結局・・・まぁいいか。これまでは口だけならそれこそ何とでも言えたけれど、それをいざ行動に移してこれじゃあもう言い訳も立たないだろうし)
そんなティアに呆れつつもこれでいいかとくのいちは内心で漏らす。今まで散々大丈夫だと言ってきたティアだが、言葉で否定出来ない現実を目の前にしているのだということにもう逃れることは出来ないだろうと。
‘ズザァッ・・・!’
「うっ・・・!」
・・・それで数分もしない内に攻防に決着が着いた。ティアがリグレットの譜銃により武器の杖を弾き飛ばされ、体もその勢いで地面に投げ出された為に。
「・・・終わりました、丞相」
「えぇ、結果は今見ましたが・・・貴女からの答えを聞くまでもありませんね。ハッキリ言って、この様子ではティアが使えるとはとても思えません」
「はい、丞相のおっしゃられる通りとても大丈夫だなどと言えるようなレベルではありません。それどころか以前相対した時より鈍ったようにすら感じられます・・・この事から障気が肉体に及ぼす影響を受けていると思われます」
「成程」
それでリグレットは傍らで見ていた孔明に話し掛けるが、聞かれずとも分かるといったように返されその理由を障気にあるのではと言うと納得の様子を浮かべる。
「・・・さて、大佐に少将。本来なら貴殿方に聞くような事ではありませんが、今の戦いの顛末をご覧になられて彼女なら周りの護衛などを任せても大丈夫だと思われましたか?」
「いえ、とても思えませんでした。無理をしているかどうかはともかくとしても、今の戦いを見る限りではまだ丞相の擁する配下の神託の盾の方が良い動きをするでしょう」
「私も大佐と同意見ですが・・・実際に今戦う姿を見てみて、ここまでの結果になるとは想像はしていなくとも少しはまともな戦いになると彼女が想像していたのかと思うと、何とも言い難い気持ちになります・・・」
次にマルクト所属の二人にどう思ったのかと確認を取ると、ジェイドはキッパリ使えないと言いフリングスはティアの見通しの甘さに表情を歪める。大丈夫と言える自信はどういった根拠なのかと言うように。
「さて・・・体を起こせますか、ティア?」
「う・・・は、はい・・・」
「今の私達の会話は聞いていたでしょうし、こうして結果は出ました・・・それでも敢えて自分を連れていって欲しいなどと言われても、最早連れていく事はありません。ですが貴女を送る前に一つ聞きたいことがあります・・・リグレットは貴女の動きが鈍いと言っていましたが、それは障気による痛みから動きが悪くなったのですか?」
「・・・それは・・・」
そして孔明がティアに声をかけると何とか地面に手をつき上体を起こすのだが、結果は決まったと言いつつ動きの鈍さについてを問われると途端に視線を背ける。
「あぁ、答えたくないのなら構いませんよ。今までの旅で貴女がそういった態度を取るのは図星であったり、何か自己擁護の言葉を探そうとしている時・・・つまりその予測は正しいと言うことです」
「っ!?」
「貴女がそうして何度同じような事をしてきたと思っているんですか?そしてそうでないだったり言いたくないで済ませるような事を許すつもりはもうありませんが、貴女を処断せずに療養という形で済ませるだけまだいい方だと思ってください・・・こうしてリグレットからも無理だとの言葉が出ている以上、もう貴女の言い分を聞く理由もありませんからね」
「うぅっ・・・そ、そんな・・・!」
だがここでその行動の意味についてを口にした上でもう話を聞く意味もないと有無を言わさない口調で話す孔明に、ティアもそのままの体勢で悲痛の声を上げるが・・・最早誰も同情するような目に視線など向けてはいなかった。結局自分のやりたいようにしかやることを考え、選ぶしか出来なかった人物に同情など出来る筈がないといったよう・・・
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そんなティアに呆れつつもこれでいいかとくのいちは内心で漏らす。今まで散々大丈夫だと言ってきたティアだが、言葉で否定出来ない現実を目の前にしているのだということにもう逃れることは出来ないだろうと。
‘ズザァッ・・・!’
「うっ・・・!」
・・・それで数分もしない内に攻防に決着が着いた。ティアがリグレットの譜銃により武器の杖を弾き飛ばされ、体もその勢いで地面に投げ出された為に。
「・・・終わりました、丞相」
「えぇ、結果は今見ましたが・・・貴女からの答えを聞くまでもありませんね。ハッキリ言って、この様子ではティアが使えるとはとても思えません」
「はい、丞相のおっしゃられる通りとても大丈夫だなどと言えるようなレベルではありません。それどころか以前相対した時より鈍ったようにすら感じられます・・・この事から障気が肉体に及ぼす影響を受けていると思われます」
「成程」
それでリグレットは傍らで見ていた孔明に話し掛けるが、聞かれずとも分かるといったように返されその理由を障気にあるのではと言うと納得の様子を浮かべる。
「・・・さて、大佐に少将。本来なら貴殿方に聞くような事ではありませんが、今の戦いの顛末をご覧になられて彼女なら周りの護衛などを任せても大丈夫だと思われましたか?」
「いえ、とても思えませんでした。無理をしているかどうかはともかくとしても、今の戦いを見る限りではまだ丞相の擁する配下の神託の盾の方が良い動きをするでしょう」
「私も大佐と同意見ですが・・・実際に今戦う姿を見てみて、ここまでの結果になるとは想像はしていなくとも少しはまともな戦いになると彼女が想像していたのかと思うと、何とも言い難い気持ちになります・・・」
次にマルクト所属の二人にどう思ったのかと確認を取ると、ジェイドはキッパリ使えないと言いフリングスはティアの見通しの甘さに表情を歪める。大丈夫と言える自信はどういった根拠なのかと言うように。
「さて・・・体を起こせますか、ティア?」
「う・・・は、はい・・・」
「今の私達の会話は聞いていたでしょうし、こうして結果は出ました・・・それでも敢えて自分を連れていって欲しいなどと言われても、最早連れていく事はありません。ですが貴女を送る前に一つ聞きたいことがあります・・・リグレットは貴女の動きが鈍いと言っていましたが、それは障気による痛みから動きが悪くなったのですか?」
「・・・それは・・・」
そして孔明がティアに声をかけると何とか地面に手をつき上体を起こすのだが、結果は決まったと言いつつ動きの鈍さについてを問われると途端に視線を背ける。
「あぁ、答えたくないのなら構いませんよ。今までの旅で貴女がそういった態度を取るのは図星であったり、何か自己擁護の言葉を探そうとしている時・・・つまりその予測は正しいと言うことです」
「っ!?」
「貴女がそうして何度同じような事をしてきたと思っているんですか?そしてそうでないだったり言いたくないで済ませるような事を許すつもりはもうありませんが、貴女を処断せずに療養という形で済ませるだけまだいい方だと思ってください・・・こうしてリグレットからも無理だとの言葉が出ている以上、もう貴女の言い分を聞く理由もありませんからね」
「うぅっ・・・そ、そんな・・・!」
だがここでその行動の意味についてを口にした上でもう話を聞く意味もないと有無を言わさない口調で話す孔明に、ティアもそのままの体勢で悲痛の声を上げるが・・・最早誰も同情するような目に視線など向けてはいなかった。結局自分のやりたいようにしかやることを考え、選ぶしか出来なかった人物に同情など出来る筈がないといったよう・・・
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