女忍、感じ入る
「では我々はこれで失礼します。それと貴女の事をいつ試すかですが、明日にするようにします。それまではゆっくり体を休めておいてください」
「・・・はい、分かりました・・・」
そして孔明は雰囲気を和らげて言葉を送るが、明日失敗すればもう帰らなければならないティアは表情を明るく出来ずにうつむいたまま声を上げるしか出来なかった・・・
「・・・成程、話は分かりました。ティアの試験相手、承ります」
「ありがとうございます、リグレット」
・・・それでリグレットのいる部屋に来た孔明は先程の話についてをし、リグレットが快く了承してくれたことに頭を下げる。
「ただティアはどのように頑張っても私からの許可が出ないとは考えはしないのでしょうね・・・そういったことを考えないのは私が平等に事を進めてくれると信頼してくれているのかもしれませんが、私が丞相の配下だということを考えればそういった考えもしてしかるべきだと思うのですが・・・」
「その辺りに関してはもう何とも言いようがないよね~。それこそ教官だから大丈夫だって考えが頭にあって、そのまんま行動してるんだろうし」
「散々丞相や奥方から厳しく言われているのだから、そう言った疑いくらいは持ってもいいだろうに・・・」
ただそうしてすぐに何とも言い難いような表情を浮かべるリグレットにくのいちがどうしようもないというように言い、頭を抱えたそうに言葉を漏らす・・・実際にティアを試して一定の結果を出しても、別にリグレットもそうだが孔明達もティアを連れていくつもりはない。要は体のいい言い訳に理由付けの為にそう言った条件をつけたのだが、その事を全く考えていないのは抜けているにも程があると言えた。
「そのように考えている途中ですみませんが、今のティアは貴女とある程度とは言え戦えると思いますか?」
「・・・いえ、それはないでしょう。障気により体力が著しく損なわれているだろう点もありますが、そもそもティアがこれまでの旅で私に近付けるほどに成長するような戦いをしているわけではありません。戦闘の才覚を伸ばすには実戦が一番ではありますが、その実戦経験が積まれてない状況では例え健康な状態であっても私に届くはずはないと思っています・・・そして何より、ティアと私の戦闘スタイルの違いから余程私が何かしらの油断かハンデを背負わされるような事が無ければ、まずティア一人に負けはおろか劣勢になることもないでしょう」
「そうですか・・・なら一先ずは心配はいらないでしょうね」
そんな空気の中でティアが戦えるのかを聞く孔明にリグレットは首を横に振り、それはないと根拠を口にしていきその中身に納得する。
・・・孔明自身十二分に分かっていることだが、そもそもリグレットとティアは戦闘スタイルの点でティアにとって相性が最悪であった。杖に投げナイフに譜歌と後衛タイプで中距離が精々の攻撃範囲のティアに対し、譜銃もそうだが譜術によって遠くからも攻撃出来て近距離でも攻撃の速度が速い戦い方が出来るリグレット・・・得意とする攻撃範囲が近いように見えて、微妙に違うというか範囲が広いリグレットの方が素の戦い方で勝っているのは明らかであった。
そしてその戦い方もそうだが、素のスペックそのものでもそんな戦い方の不利を覆せるほどの実力はティアにはない・・・そう考えればティアにとって絶望的な戦いであり、それに気付けてない事は愚かだと言えた。
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「・・・はい、分かりました・・・」
そして孔明は雰囲気を和らげて言葉を送るが、明日失敗すればもう帰らなければならないティアは表情を明るく出来ずにうつむいたまま声を上げるしか出来なかった・・・
「・・・成程、話は分かりました。ティアの試験相手、承ります」
「ありがとうございます、リグレット」
・・・それでリグレットのいる部屋に来た孔明は先程の話についてをし、リグレットが快く了承してくれたことに頭を下げる。
「ただティアはどのように頑張っても私からの許可が出ないとは考えはしないのでしょうね・・・そういったことを考えないのは私が平等に事を進めてくれると信頼してくれているのかもしれませんが、私が丞相の配下だということを考えればそういった考えもしてしかるべきだと思うのですが・・・」
「その辺りに関してはもう何とも言いようがないよね~。それこそ教官だから大丈夫だって考えが頭にあって、そのまんま行動してるんだろうし」
「散々丞相や奥方から厳しく言われているのだから、そう言った疑いくらいは持ってもいいだろうに・・・」
ただそうしてすぐに何とも言い難いような表情を浮かべるリグレットにくのいちがどうしようもないというように言い、頭を抱えたそうに言葉を漏らす・・・実際にティアを試して一定の結果を出しても、別にリグレットもそうだが孔明達もティアを連れていくつもりはない。要は体のいい言い訳に理由付けの為にそう言った条件をつけたのだが、その事を全く考えていないのは抜けているにも程があると言えた。
「そのように考えている途中ですみませんが、今のティアは貴女とある程度とは言え戦えると思いますか?」
「・・・いえ、それはないでしょう。障気により体力が著しく損なわれているだろう点もありますが、そもそもティアがこれまでの旅で私に近付けるほどに成長するような戦いをしているわけではありません。戦闘の才覚を伸ばすには実戦が一番ではありますが、その実戦経験が積まれてない状況では例え健康な状態であっても私に届くはずはないと思っています・・・そして何より、ティアと私の戦闘スタイルの違いから余程私が何かしらの油断かハンデを背負わされるような事が無ければ、まずティア一人に負けはおろか劣勢になることもないでしょう」
「そうですか・・・なら一先ずは心配はいらないでしょうね」
そんな空気の中でティアが戦えるのかを聞く孔明にリグレットは首を横に振り、それはないと根拠を口にしていきその中身に納得する。
・・・孔明自身十二分に分かっていることだが、そもそもリグレットとティアは戦闘スタイルの点でティアにとって相性が最悪であった。杖に投げナイフに譜歌と後衛タイプで中距離が精々の攻撃範囲のティアに対し、譜銃もそうだが譜術によって遠くからも攻撃出来て近距離でも攻撃の速度が速い戦い方が出来るリグレット・・・得意とする攻撃範囲が近いように見えて、微妙に違うというか範囲が広いリグレットの方が素の戦い方で勝っているのは明らかであった。
そしてその戦い方もそうだが、素のスペックそのものでもそんな戦い方の不利を覆せるほどの実力はティアにはない・・・そう考えればティアにとって絶望的な戦いであり、それに気付けてない事は愚かだと言えた。
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