女忍、感じ入る

「ですのでこの後にティアに話をしに行き、その後にリグレットへ話をしに行きます。そして翌日に貴方の望むようにベルケンドへ向かうようにとの話を皆を集めて行うようにする話をした後、彼女に我々と別れていただきます」
「それは構いませんが、誰がどういった形でベルケンドに向かうのか構想は出来ているのですか?」
「私とアッシュの二人がいれば一先ずは問題はないでしょうが、他の面々はともかくルークは置いていきます。一応はルークの事はもう存在しない者という事になりますし、アッシュには『ルーク』として活動してもらわなければなりませんからね。自覚であったりそうしたいかといった気持ちはともかく、そういった宿敵とも呼べる関係の二組を結ぶには王族からの直々の言葉があった方がよろしいでしょうからね」
「成程・・・ただそれで大丈夫だとは思いますが、こちらからも手紙をその方々に送らせていただきますよ。特にその中の一人であるスピノザという人物はヴァンに協力させられていた人物ですので、彼にヴァンに協力する必要はもうないという仔細と共に私達に協力するようにとの手紙も添えさせてもらいます」
「そのような方がいたのですか」
「ベルケンドには取り立てて丞相も用はなかったでしょうし、スピノザもあくまで協力させられている人物の一人でしかありませんからね。かくいう私もベルケンドで長く研究などしていませんでしたので彼とはそこまで親しくはありませんが、今回協力すればそれらから解放されると知れば多少面倒でこそはあると感じるでしょうが残りの面々の説得に動いてくれるでしょう」
「そうですか。ならそうしていただくようにお願いします」
そんなティアについての流れからベルケンドに行くことの流れについて・・・特にスピノザという人物に関する話になり、孔明はディストの話から特に問題はないだろうと判断してそうするようにと返す。
「まぁそれ以外では特に誰を連れていかねばならないと言ったこともないでしょうが、貴方はこちらに残っておいてくださいくのいち。それこそ特に目立った何かが起きることはないでしょうが、かといって誰も何もいないというのはもしもの何かが起きた際に面倒になるでしょうからね」
「そういうことなら喜んで~。まぁ後のイオン達も含めて、どういった風に動くかは後々話しますか」
「そうですね・・・ではディスト、また何かあれば連絡してください。明日まではこのシェリダンにいますので」
「はい。では私もまた研究に戻らせていただきます」
それでくのいちは念のためにここに残るようにと言った所で話をまとめ、二人は場を後にするといった空気を滲ませディストもまた奥に行くと言う。









・・・それで集会所を出た孔明達はすぐに宿へと向かう。ティアと話をするために。



「・・・あの丞相・・・話とはなんでしょうか・・・?」
・・・それでティアの部屋に行き出迎えた彼女に中で話をしたいと切り出す孔明に、立場から逆らう気のないティアは二人を招き入れるが不安といった様子で用向きを問う。
「いえ、妻から貴女の様子について聞いていましたから慰問のつもりで来訪させてもらいました」
「そうでしたか・・・ありがとうございます、私の為に・・・」
そんな姿に微笑みながら様子を見に来たと伝えると、ティアは露骨にホッとした様子を浮かべる。何か特に自分にとって望ましくないことを言われないのだということに安堵したかのよう。









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