女忍、感じ入る

「そう言ってくれるのでしたらこちらも安心します・・・取りあえず聞きたいことは聞けましたから後は妻だけ残って、他の皆もまた休憩してください。遅くとも明日にはディストからどうなるかとの話がされるでしょうからね」
そんな空気にこれで一先ずいいだろうとの言葉を口にする孔明に、周りの面々から反対の言葉は出てこなかった。



・・・それでルーク達が部屋から出た後、孔明とくのいちの二人になる。
「・・・予想以上にルークの成長が目立ちますね。私はアッシュといましたから尚更にそう感じます」
「やっぱりそう思います?」
「えぇ・・・あの姿を見たから思ったのですが、ガイの事に関してルークに同席してもらってもいいかもしれませんね」
「えっ、ガイの事実をルークに知らせるんですか?」
孔明は先程のルークの成長に関してを評価するのだが、そこからガイの事を出されて意外そうな表情にくのいちは変わる。
「ガイの真実を暴くだけなら謡将と会わせて会話をするだけでも十分でしょうが、彼の性格上ルークの存在があるかどうかですんなりといくかどうかが変わると思います。それに話の流れ上ルークの事を話さねば色々と説明出来ない部分も多くなった上で、ガイの事ですからルークに会えないかと切り出してくるのは目に見えています。そしてそうなれば彼はこのように言い出すことでしょう・・・自分の正体については何も言わないようにとこちらに願った上で、自分は裏切らないからなどといったような事を」
「あ~、その辺り都合いいように希望しそうですね~。話の流れもあるでしょうけど、ルークがいないならガルディオスってバレたのをどうにか取り返そうとそっちに生き延びる望みをかけるって形で」
「えぇ。そういったように我が身可愛さであったり雌伏の時を経て再びファブレへの復讐を考えようとしたりであったりと、様々な可能性が考えられます・・・そしてそうなればガイは頑なになって話がうまく進まなくなるでしょうし、その場に来たルークもどうすればいいことかと思うでしょう。ましてやガイの身の上を何も言わずに話を進めるとなれば、どれだけ面倒でいて話が長くなるのか想像に難くありませんからね」
「えぇ。ですからそういった流れにしないためには、初めからルークにガルディオスである可能性があると認識していただいた方がいいかと思ったのですよ。流石に最初から場にいさせては話が思うように進まないでしょうからね」
「ん~、あくまでルークもうっすら知ってる風みたいな感じで会わせず通すのは駄目なんですか?直接ルークに会わせるともしもの場合、そうはさせないにしてもガイが暴走して周りが危険になる可能性も無くはないと思うんですけど」
「確かにそういった危険性はあるしそれで構わないかとは思ったのですが、ルークの成長を願う意味でもそうした方がいいかと考えたのです。ガイの事実を知ってもらう事により、辛くはなるでしょうが今の彼なら事実を受け入れられるだろうと」
「あぁ、そういう事なんっすね。確かにガイの事はルークにとっちゃ成長するのにいい機会っちゃ機会ですね」
そこからいかにガイの面倒さがあるかに加えてそんなガイを利用してのルークの成長を狙う意味合いを語る孔明に、くのいちも納得の様子を浮かべる。ルークにとって色々と複雑ではあるだろうが、確かにガイの事実を知ることは精神の成長に繋がるだろうと。









.
12/25ページ
スキ