女忍、感じ入る

「一応建前ってヤツがあるんだよ。ルークはモースの事を直接会ったからどういう人格かは知ってるだろうけれど、モースの事を大詠師として人格者だって信じてる人は結構な割合でいるんだよ。預言保守派は特にね・・・この辺りはモースが人前に出る辺り、大詠師としての仮面で人に接触してきた上で地位が低くて関係の薄い人物とは徹底的に関わるような事を煩わしいって避けてたのもあるからね」
「煩わしいって・・・まぁあいつの感じからして叔父上達みたいに媚びる相手以外に愛想よくなんてそんなことやりそうにないよな」
「そうそう。それに大抵モースに話を通すとかって事になる時は旦那様に伺いを立ててからじゃないといけない、みたいな暗黙の了解が出来てしまってたからね~。それでモースに直接お目にかかれず話も聞けないみたいな状況になった上で旦那様で話が終わるものだから、旦那様を従えるモースもさも立派な人物なんだろうって考える人もいるんだよ」
「・・・それってコーメイが損してねぇか?何か色々とよ・・・」
「そんなに問題はありませんよ。むしろ大詠師に私なしで話が通った場合、色々と厄介な事になっていた案件もいくつかありましたからね。その点では私に情報が来てよかったとは思います」
「そうなのか・・・」
くのいちはモースがダアトでいかな様子なのかを説明していき途中で孔明の事が出てきて当人もその事に自身の意見を述べると、ルークは何とも言いがたそうに表情を歪める。話を聞くだけでもどれだけモースが面倒でいて厄介なのか、身内という近い立場から見るとそういった物であると感じた為に。
「まぁとにかくそう言った事からモースの印象って何も知らない人にとっちゃいい印象を持つ人は結構多いから、はい処刑!・・・なんてあっさり言ってあっさりそれではい終了~、なんて展開にならないのは簡単に想像がつくんだよ。むしろあっさりそれで済ませようとしたら折角今までやって来たことが色々と無駄になりかねないってこともね」
「預言保守派達の反乱だとかって事か・・・」
「そうそう。だから一応の建前としてちゃんと法の元に裁きましたって風にしないといけないんだよね。ただルークも今言ったけれど、モースに改心したから大丈夫です・・・なんて言われたって信用はする理由もないし、改心するだけの材料もないしね。何せ預言に詠まれた中身に反したことをあっしら進行形で行ってるんで、自由にしたら確実にこっちの邪魔どころか殺しにかかってくるのは目に見えてるんで」
「あ~・・・確かに自由にしたらそうなるのは目に見えてるよな・・・ただそうなるとモースには弁解の機会さえねぇ形ばっかりの裁判が待ってるってことか?」
「・・・やっぱり辛い?例えモースが相手でも、そういったことを聞かされるのは」
だからこそ厄介な面を発揮させる前に確実に、それも何もさせないように始末をつけた方がいい・・・そう聞いてルークが理解はしつつも苦そうな表情を浮かべる姿に、くのいちは心配そうに声をかける。
「・・・まぁそりゃ否定はしねぇよ。つってもそうしないと色々と面倒だってことも分かってるし、何より俺の立場自体が面倒なもんだってことも理解してんだ。そう考えりゃモースが心から改心してくれりゃいいとは思うけど、そうじゃねぇんならそうした方がいいとは理解してるし止めるつもりなんかねぇよ」
「・・・そう言ってくれるならこっちも安心したよ」
しかしルークもすぐに理解はしてると表情を引き締める様子にくのいちはホッとしたといった笑顔を浮かべる。まだ感情で理解出来ない部分はあっても頭ではちゃんと理解出来ている様子を見て。









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