女忍、感じ入る

「となりゃ後はそれが済んだ時、どうなるかが問題じゃあるんだろうけど・・・」
「その辺りの処置に関しても陛下達に進言はしていますが、基本的にどのようにするかは陛下達が決められることです。薄情に思われるかもしれませんが、そこから先は我々の関与する事ではありませんし私もその時にはダアトにいなければなりませんから、気楽に助言に諫言を送るかバチカルに行けるような立場にはないでしょう」
「あ~・・・そう聞くと父上達にしっかりしてほしいって願うしか出来ないか・・・アッシュの様子だと、相当な苦労が待ってそうだしな・・・」
「・・・離れると決めはしたものの、やはりキムラスカに対して思うところは残る・・・と言う所ですか?」
「まぁそりゃな・・・今まで一応育ててきてもらった所じゃあるしな。ただこれからの俺の立場の事を考えると何も出来ないっつーか、むしろ俺が何かしようとすることの方が危なくなるだろうしよ」
「えぇ、確かにそうなるでしょう。言わずとも分かるでしょうが、アッシュのせいですね」
それでそんな話の通りに進んだ後についてを話題にするルークだが故郷を想う念を見せつつ動けないことを理解しているといった言葉を苦く漏らす様子に、孔明も間違いないと原因はアッシュであることも添えて肯定する。
「ただもうそちらに関してはそれこそインゴベルト陛下達にお任せするしかありません。手順通りに進めば私の見込んだような効果は見込めるとは思えますが、貴方が出ていってしまえばその時点で色々と台無しになります。そればかりか我々の事は信頼出来ないと、最悪アッシュが王になって実権を握った場合にダアトを制圧にかかろうとすることも有り得るでしょう。彼から見て私は小賢しい策ばかりを弄して貴方に肩入れをする、信用ならない存在となるでしょうからね」
「・・・あいつ、そこまでやるってのかよ・・・」
「あくまで最悪の場合ですよ。事実を知ったならダアトなど信用ならないと我々との関係をその時に絶つよう考え、陛下達に進言は最低限するでしょうね」
「・・・それくらいで済めばまだいいって所なのか・・・本当にお前の言うように俺は姿を見せない方が、まだあいつがまともになるんだろうけど・・・ホント、祈るしかないんだなマジで・・・」
「えぇ。キムラスカとはあまり深く関わるつもりはありませんが、彼がまともになってくれるに越したことはありませんから私もそうあってほしいと思っていますよ」
しかし自分達、特にルークが関わることは望ましくない・・・そう言うからこそまともになることを祈るばかりと言う孔明に、ルークは深く苦い表情を浮かべる。決して大丈夫だと言いきれないアッシュの不安さに。
「・・・とりあえずはアッシュについては今はいいでしょう。今重要なのはディスト達の研究が形を成すのを待つことです。その時間がどれだけの物になるかはともかく、それが成されてからがある意味本番ですからね」
「まぁ今の状況なら旦那様にイオンが協力すれば大丈夫ではあるとは思うけれど、預言保守派とオマケにティアは多少お気の毒な事になってもらうけれどね~」
「お気の毒なって事は・・・モースの事を処刑か何かするってのか・・・?」
「それも視野に入れてるよ~。この辺りはダアトに戻ってからになるけれどね~」
「・・・何で処刑って決まってないんだ?言っちゃなんだけど、あいつが改心するなんかアッシュと同じくらいに信用出来ねぇけど・・・」
そんなアッシュから話題を転換していく孔明の話にくのいちも加わるのだが、モースの事を暗に示していた事に気付いた物の何故ハッキリした処分を口にしないのかとルークは疑問を向ける。









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