女忍、感じ入る

「・・・あぁ、来てくれましたか」
「お久しぶりです、旦那様~」
「えぇ。どちらが先に着くかかは分かってはいませんでしたが、そちらが先に着いたようですね。経過はどうですか?」
「順調ですよ~。もうパッセージリングも回り終わりましたんで、取り敢えず心配はいりませんから」
「それは良かったです。こちらも各地で無事に話を進めてきた上でタルタロスまで譲ってきていただきましたからね。取りあえずは我々は共にやるべきことはやり終えたというところですか」
・・・それでくのいち達が集会所に行くとそこにいた孔明達と顔を合わせ、報告と共に穏やかに会話をする。どちらも問題はないと。
「そうなりますけど取りあえずこうしてシェリダンに着いたことですし、旦那様達はゆっくりしてください。船旅で疲れたでしょうし、こっちはディスト達の研究の成果待ちって所なんで今日は休んでもらっていいですよ」
「そう言っていただけるのはありがたいですが、私はここに残りましょう。ディストと進捗具合についても話をしたいですし、また何かあるならすぐに指示を出せるようにしておきたいですからね・・・ですので他の皆様は休憩されてください。妻が言われたようにディストの進捗具合がハッキリするまでは何かをすることは特には必要はないでしょうからね」
その上でくのいちがしばらく休むようにと勧めるのだが、自分はいいとした上で周りに休むようにと言う孔明に反論は出てこなかった。確かに今の状態では他の面々がここにいても、特に何かをする必要もないために。



・・・それで孔明を除いた孔明側にティアは一先ず休憩と言う事で集会所から出た。そしてディストは技術者達と共に研究の為、奥の方へと引っ込む。
「さて、今までの経緯についてをお聞きしましょうか」
「勿論お話ししますけど、ついでに旦那様に判断してもらいたいことについてもお聞きしますね」
「私にですか?」
「まぁ取りあえず話を聞いていただいてからってことで・・・」
そんな話をするには十分といった体勢に入る孔明だが、くのいちの話口に少し疑問を浮かべる。一体何が話されるのかと。









「・・・成程・・・彼女の諦めの悪さについては確かにあまり良くない兆候ではあると言えますね・・・」
「そうですよね~。多分そっちはそっちでアッシュについて色々あったとは思うんですけど、こっちもこっちでティアについて色々とあったしここでどうにかしとかないと、後で体調が悪いのをごり押ししてでも自分をどうにか上の立場に引き立ててほしいって言ってくるのは簡単に目に浮かびますし・・・」
「・・・確かに話を聞く限りでは体調など些細な問題だと言いそうですね・・・そして言葉だけで引くともとても思えないとなれば、厄介ですね・・・」
・・・それで今までの経緯と共にティアがいかにこれまで動いてきたのかを話終えると、孔明もまた面倒だといったように厄介と漏らす。そのやる気が引くことがないという姿勢に。
「・・・分かりました。後でティアには私が直接話をした上で、その結果でリグレットに貴女方の話に出たように彼女をダアトに戻すようにとの手筈の話をします・・・まずそうなるだろうというのは間違いないでしょうがね」
「リグレット大丈夫かな・・・俺が言っておいてなんだけどよ・・・」
「その事に関しては確かに彼女の負担は大きくはなるでしょうが、彼女の性格を考えればティアが分を弁えない行動に出てあがき続ける姿を見る方がより苦痛であると見ます。その役目を彼女に負ってもらうことはキツい事ではあるでしょうが、彼女もまだその方がいいとは思ってくれるでしょう。勿論彼女にはその分、何かしらの報酬という形で報わせてはいただきます。それで釣り合うかはともかくとしてです」
「・・・やっぱその辺りはリグレットが辛いことになるのは避けられないか・・・」
そしてその案をまず採用して行動する事になるだろうと言う孔明にルークが複雑そうな表情を浮かべ、それを承知の上でリグレットも動くだろうし自分も報いるつもりだと言うとそれだけの物だと改めて実感する。リグレットのティアへの想いを考えると相当にキツい事なのだと。









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