女忍、感じ入る

・・・それで少し待ってアリエッタの話によりグリフィンが中に入ってきて、くのいちとティアはグリフィンに掴まり空を飛ぶ形で中を進んでいった。



「・・・ん~、これで一先ずパッセージリングの操作は終了っと・・・大丈夫、ティア?もう動けないとかそれに近い程キツい?」
「・・・いえ、大丈夫です・・・とりあえずこれでもう、パッセージリングの操作は無いんですよね?」
「うん。まぁかといって無理をするような事をして途中で倒れないようにね。シェリダンでしばらく休憩して用事を終わらせたら、もうダアトにティアを送るようにするから」
「私は大丈夫です・・・全部が終わるまで最後まで見届けさせてください・・・!」
・・・それでパッセージリングの操作盤の前に来て一連の操作を終えたくのいちが様子を確認しつつ話を進めるのだが、ティアは引く気はないといったように決意のこもった瞳を向ける。
「その心意気は買うけれど、ディストから聞いたでしょ?今のティアの容態って相当に酷いって・・・その上で言うけど、今の顔色も結構酷いよ?かなり我慢してるってのが見ててすぐ分かるよ」
「そ、そんなに酷いんですか・・・今の私・・・?」
だがその見た目と言うか顔に血の気が引いているといった様子を口にするくのいちに、ティアは自分にその顔が見えないからか不安そうに頬に手を当てる。
「・・・やる気があることに関しては気持ちは買うけれど、しばらくシェリダンで休憩してこれからどうしたいか・・・と言うより正確には自分の体と相談してこれからの事を決めるようにしてね。自分に責任があるとかそういったこと以上に、自分の体が本当に無理が効くかどうかを考えることを優先してほしいんだ。これは私がティアに気を使ってるっていうのは否定はしないけど、やせ我慢されて突然倒れられるなんて方がこっちが困るしイケると思ったんですスミマセン・・・なんて風な言葉を後で倒れながら向けられてもその時点じゃお叱りの言葉も与えられないし、下手に見捨てることも出来ないんだからね」
「・・・分かりました・・・」
そんな様子に優しくもあり厳しくもある言葉でしっかり考えるように言うくのいちに、ティアも理解はしたといったようにしんみりと頷く。
(ここまで言いはしたけれど、この言葉が効くのも多分体調が少し良くなるまでくらい・・・まぁ今更ティアに物わかり良くなんて期待してないし、少しの間言うことを聞いてもらえば別にいいしね~。これから先はそれこそティアにやってもらわないといけない事なんてないし)
ただそんな風にティアがしおらしくなる中でくのいちの内心は、もう別に大して気にすることではないと冷静に考えていた。ティアがいかにこれからについてを自分なら大丈夫と前向きに考えようが、その意見を受け入れるつもりなどないために。









・・・そうしてティアとの会話を終えたくのいちは待機していたルーク達の元に戻り、共にシェリダンへと戻った。



「・・・あぁ、お疲れ様でした皆さん」
「調子はどう、ディスト?」
「取り敢えず順調ですよ。とは言え丞相達が来られるまではあまり皆さんにやっていただくこともありませんので、しばらくは休憩していただいて構いませんよ」
「じゃあそうさせてもらうね~。と言うわけで宿に行こっか♪」
それでシェリダンの集会所に戻ってきたくのいちはディストと会話を交わし、休憩するように勧められたことで笑顔で勧めを受け取りルーク達にもそうしようと言う。









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