女忍、感じ入る

「では話を変えますが、丞相達より先に我々はシェリダンに着くでしょうか?」
「ん~、多分私達の方が早いかな?私達の方が手間や移動距離とかはあったけど、アリエッタのお友達のおかげで道中は楽させてもらって早かったし・・・ただどっちが先になるにしても時間にズレはそこまでないでしょ。旦那様もその辺りはどっちがどっちでもいいと思ってるだろうし、変に気張らない気張らない♪こうして海の上を行く以上天候や海の様子も影響してくるんだから、それに逆らってまで急ぐのは却って危険だしね~♪」
「そうですね、自然に逆らってまでなどというのは良くないですからね」
それでディストが話題を変えつつ口にしたのは到着順についてだが、大した意味はないと明るく口にするくのいちに確かにと静かに頷く。
「ただここで問題があるとするならやっぱりアッシュの事について、顔に出さないようにするべきって事をちゃんと認識することくらいかな~。特にルークに関してはね」
「いや、それは前にも聞いたから分かってるってーの」
「その心掛けに関しては感心するけど、そろそろ仕上げにどうするかに関しての流れを説明しようと思ってね~。シェリダンから先はもう流れが早くなることもそうだし、アッシュとも仕上げの時まではしばらく一緒にいないといけないから早目に言っときたいんだ」
「そんな予定を先に考えてたのかよ・・・やっぱお前らすげぇとは思うけど、そうだってんなら話は早目に聞いてはおきてぇな。顔には出さねぇようにするし、話になんか出しもしねぇから早目に聞かせてくれ・・・ちゃんと覚悟を決めときたいしな」
しかしそこでくのいちが先に話しておきたいといったように口にした今後の流れがあると言うと、ルークも表情を引き締める。覚悟が必要な事だと認識して。


















・・・そうして話をしながら過ごしてきたくのいち達を乗せた船は、シェリダンの港へと着いた。



「・・・ここがシェリダンか・・・見たとこあっちの方はまだ来てないようだな・・・」
「ちょっと私達の方が早く着いちゃったかな~。まぁその辺りも含めてここの代表の人の所に話をしに行くよ~。ここの場所を使わせてもらうこともそうだし、旦那様達が着いてないか聞きたいしね~」
・・・それでシェリダンの街の入口に来たルークは周りを確認しながら声を漏らし、くのいちが先に行くことを切り出したことに一同は頷く。



「・・・おぉ、貴殿方が陛下より命ぜられた我々が協力すべき方々ですか」
「と言うことは丞相はもうバチカルに行き、話をつけていたということですか」
「えぇ、連絡は受けております。何なりと我々に命令を下されてください。我々が協力出来る分野の事だとのことですので」
「はい、頼りにさせていただきます・・・と言うことでディストはここに残って技術者の人達と協力して作業してね~。私達はメジオラ高原の中にあるパッセージリングの方に向かうから」
「えぇ、分かりました」
・・・それでシェリダンの中にある集会所に来たのだが、そこで待ち構えていた老人三人からの歓迎の言葉に状況を理解しつつくのいちは話を進め、残るように言われたディストはしっかりと頷く。









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